一言で性病といっても、性病にはいろいろな種類があります。
性病とは、セックスによって感染する感染症の総称で、性感染症もしくはSTD、STIと言われることもあります。
『性病の種類』、つまりセックスで感染する病原体の種類にどんなものがあるのかについて今日はリストアップしてみたいと思います。それぞれの病気については、それぞれ詳しい説明ページをリンクしておきますので、参考にしてみてくださいね。
目次
性病の種類:HIV、エイズ
性病の代表的な感染症といえばHIV感染ですよね。
血液や精液、膣分泌液などの体液に含まれているウイルスが傷口などから入り込み、リンパ球を破壊してしまうため、性器だけの局所感染ではなく、全身感染になります。
HIVというウイルスに感染し、免疫不全などの症状が発症するとエイズと呼ばれる病態になります。
近年では予防薬の効果が高くなり、予防することが可能になりました。また、治療薬も確立されてきたため、感染しても治療を受けて症状をコントロールすることが可能になってきています。
性病の種類:梅毒
梅毒もとても有名な性病ですよね。近年、梅毒感染が増えています。
梅毒もHIV感染同様、血液や体液から感染し、全身に広がる性病です。全身に赤い斑点が出る”バラ疹”が有名な症状です。
梅毒に感染していることがわからない状態で妊娠してしまうと、胎児にも感染してしまうことがあります。近年はこの先天性梅毒も増えています。
早期発見で治療は可能ですが、発見が遅れてしまうと治療が難しくなることもあります。
性病の種類:クラミジア
クラミジアも有名な性病です。クラミジアは局所感染なので、感染した部位である性器や喉など直接感染した部分で発症します。
主な症状は分泌物や感染部位の違和感で、男性には比較的わかりやすい症状の場合もありますが、女性はなかなか気がつきにくい症状でもあります。
感染に気が付かないでいると子宮や卵管、精巣にも慢性炎症を起こし不妊症の原因になることもあります。将来、妊活を始めてからクラミジアで不妊症であることが発覚しないように、セックスをするようになったら定期的にクラミジアの検査を受けて、早期発見早期治療をしておくことがとても大切です。
性病の種類:淋病
淋病は男性は”黄色の膿み”がでて、激しい排尿痛があることで有名で、それだけの症状が出るので気が付きやすい性病です。
しかし女性は多少おりものが増えるなど、クラミジア同様にあまり症状がわからない場合があります。
淋病も局所感染なので、感染した部位である性器や喉など直接感染した部分で発症します。
クラミジアと同じように、感染に気が付かないでいると子宮や卵管、精巣にも慢性炎症を起こし不妊症の原因になることもあります。
また、淋病の原因となる淋菌は薬剤耐性菌が増えています。つまり、治療に使われる抗生剤が効かない種類の淋病が増えているのです。早くに発見し、一度の治療で完全に完治させることが治療の鍵になっています。淋病も定期的に検査を手、早期発見早期治療をすることがとても大切です。
性病の種類:コンジローマ
コンジローマはコンジローマ型のHPV(6型と11型)感染によって起こり、症状はイボができることです。
局所感染なので、感染した部位である性器や喉など直接感染した部分で発症します。ただ、コンジローマは性器の内部だけでなく皮膚でも存在できるため、気が付かない間に掻いたり触ったりして、他の部位に広がる場合があります。
HPV感染は体の免疫力によって排除できる感染症なので、数ヶ月で自然にイボが消えることもありますが、再発もしやすい感染症です。
また、HPVは重複感染と言って多数の種類のHPVに一度に感染する可能性が高い感染症です。つまり、イボがあるということはコンジローマ型のHPV感染があり、コンジローマ型のHPV感染があるということはがんになるタイプのハイリスク型のHPVの感染もしている可能性があるということになります。
ハイリスク型HPVはがんが進行するまで症状がないので、イボがある場合は一度ハイリスク型HPVの感染がないことを確認しておくことが大切です。
性病の種類:トリコモナス
トリコモナスはウイルスや細菌ではなく寄生虫感染です。目に見えない小さな原虫が多数、ものすごい速さで動くため、女性は膣や外陰部の激しい痒みを感じます。
局所感染なので、直接感染した部分で発症します。
トリコモナスは基本的に性病ですが、稀にお風呂やタオルで感染してしまうことがあります。タオルの共有は避け、銭湯や温泉などでは浴室内のいすはよく洗い流してから利用する、浴槽のふちにお尻(膣)をつけて座らないなど、少し気にかけると良いですね。
性病の種類:ヘルペス
ヘルペスはウイルス感染によって起こり、感染部位に潰瘍を作り激しい痛みを感じます。
局所感染なので、感染した部位である性器や喉など直接感染した部分で発症します。コンジローマ同様、潰瘍部分を触れた手で感染が広がってしまう場合があります。
ヘルペスの検査は症状がない時には検査が難しいので、症状が出たらすぐに診察をして検査をしましょう。
ヘルペスは一度感染してしまうと体の中に隠れていて、体力が落ちた時に再発します。再発防止の投薬や、健康管理で再発を防ぎましょう。
性病の種類:マイコプラズマ、ウレアプラズマ
マイコプラズマやウレアプラズマは新しいタイプの性感染症で、今現在治療法などが研究されているところです。
現時点では非淋菌性非クラミジア性尿道炎や膣炎、咽頭炎(淋病でもクラミジアでもない炎症)を起こす病原体として認識されていて、クラミジアや淋病同様に局所感染なので、感染した部位である性器や喉など直接感染した部分で発症します。
性病が不安になる症状があって、クラミジアや淋病の検査をしたけど感染が見つからなかった。でも症状がある、という場合にさらに検査をすることでマイコプラズマやウレアプラズマの感染が見つかる場合があります。
細菌感染なので抗生剤で治療することができますが、淋菌同様すでに薬剤耐性菌が多く見つかっているので、感染があった場合には一度の治療でしっかり完治することが大切です。
郵送検査がおすすめです
性病検査の多くは郵送検査でもすることができます。ちょっと病院に行くのは抵抗がある、という場合はまずは自宅から気楽に検査を始めてみましょう。
また、性病は性器だけではなくオーラルセックスにより喉にも感染します。性病検査は喉の検査も一緒にしましょう。
なお、アイラボではHIVと梅毒の郵送検査は行っていません。保健所で無料で受けられるので、そちらのご利用をお勧めします。また、ヘルペスは症状がある時に病院で検査しましょう。
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自宅でご自身で採取出来、病院に行けなくても安心して検査が受けられます。
記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。