性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症について
マイコプラズマは主に2種類が性感染症(STD/STI)として認識されています。Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ ジェニタリウム)とMycoplasma hominis(マイコプラズマ ホミニス)です。
ウレアプラズマも2種類認識されています。Ureaplasma parvum (ウレアプラズマ パルバム)とUreaplasma urealyticum(ウレアプラズマ ウレアリチカム)です。
マイコプラズマはヒトに肺炎を起こす病原体として古くから知られていますが、性感染症としてはあまり聞きなれない病原菌です。
しかし、性感染症の世界では非淋菌性非クラミジア性尿道炎(淋病でもクラミジアでもない尿道炎)や流産、早産の原因として注目されています。
また、風俗等の口でのサービスも増えているため、のどのマイコプラズマやウレアプラズマの感染も増えています。口でのサービスだから性感染症は大丈夫と安心していられません。
マイコプラズマ ジェニタリウム、マイコプラズマ ホミニス、ウレアプラズマ パルバム、ウレアプラズマ ウレアリチカムという病原体が正体
粘膜に直接接触することでうつる
口と口、口と性器、性器と性器、どの接触でもうつる可能性がある
性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症の症状
男性の症状
潜伏期間は1週間から5週間で、淋病やクラミジアより発症するまでに時間がかかります。
排尿時のチクチク痛み
尿道のかゆみ、不快感
わずかなクリーム色の分泌物
無症状
女性の症状
女性の場合は男性よりも更に症状が現れにくく、かなり長い期間マイコプラズマやウレアプラズマのの感染に気付かないことも少なくありません。
おりものが増える
おりもののにおいが気になる
無症状
のどの症状
のどの感染では女性よりもさらに症状が乏しく、気がつかないことがとても多いので、オーラルセックスにより感染が広がる、もしくは再感染してしまうことがあります。
のどの不快感
無症状
のどの治療には時間がかかります。しっかりと根気強く治しましょう。
性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症の検査
検査のタイミング
マイコプラズマやウレアプラズマ は、症状が出始めるのは一般に1週間から5週間程度かかります。
検査の時期は症状がある時はその時点でよいのですが、症状がない場合はうつったかもしれない性行為から1週間~10日間経ってから検査をすると良いでしょう。
検査方法
一般的には培養法が行われていますが、時間がかかったり、感染している菌を特定すること(同定)が難しいので、アイラボではこれら4種類(マイコプラズマ・ジェニタリウム、マイコプラズマ・ホミニス、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、ウレアプラズマ・パルバム)の菌を一度に検査できる遺伝子検査法PCR/インベーダー法で検査します。
尿で調べる時は、採取までに2時間以上排尿していない事、出始めの尿(初尿)を採取することが極めて重要です。多く採取すればするほど感度は低下します。
性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症の治療法
性感染症としてのマイコプラズマやウレアプラズマの治療に関して、日本性感染症学会のガイドライン2016においては今現在治療基準は出ていません。
一般的にはクラミジアと同じ抗生物質が選択され、マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系抗生物質が抗菌力は強いと言われていますが、薬剤耐性が強く出る研究も多く見られ、完治しにくいことが多いので、症状が軽減しても治療後2~4週間後に経過観察のための再検査が望まれます。
また、パートナーの同時治療が必要です。
1. マクロライド系抗生物質
2. ニューキノロン系抗菌剤
3. テトラサイクリン系抗生物質
などがあります。