目次
性教育の現状を再認識。。。
「性病の無料相談ですか?」
はいそうですよ。ご相談ですか?
「ハイ」
どうしましたか?
「最近微熱が出て、だるいです。症状からするとエイズなのかと心配しています。」
今の時期、寝冷えをして風邪をひくこともあるだろうし、例えば結核という病気もあります。
微熱があるのはHIVの感染だけではないですよ。
何か心配な行為がありましたか?
「セックスの経験はないのですが、ほとんど毎日自慰行為をしています。」
そうですか。失礼ですが、何歳ですか?
「22歳ですが、もうすぐ23歳になります。」
そうですか。とてもおりこうさんで生きてきたんですね。
「ハイ、でも先日、何とか財団のエイズ講演会に参加してHIVのお話を聞いてから心配になってしまいました。」
エイズの原因はHIVというウイルスの感染だということは分かっていますよね?
「ハイ」
HIVのウイルスはとても弱いんですよ。感染している人の血液や分泌物などに直接接しないとうつりません。しかも、単に接触しただけではうつりません。性行為はこする行為なので、目に見えない小さな傷ができます。ウイルスはそこから入り込むんですよ。
あなたのように、自慰行為で傷がついても、HIVに感染することはありません。
エイズのことだけではなく、避妊のこと、他の性感染症についてももっと勉強しましょう。
このようなご相談でした。
HIV(エイズ)やHPV(子宮頸がんの原因ウイルス)についてもこのような知識、認識であることが現実なのでしょうか。
うつる病気は、ただうつるかもしれないという認識だけではなく、どのようにしてうつるのか、そこのところの理解もしっかりできていたらいいですよね。それが本当の性教育であり、性行為をする準備ができているということになるのではないでしょうか?
性教育に関する日本の文化
“中学生に子宮頸がんワクチンを接種する”という件、今は政府勧奨が中止している状態です。その原因は“副反応問題”だけでしょうか? 副反応は確かにその理由の一つであることは間違いないのですが、私は日本人の国民性にあると思います。
今から35年位前、私(所長)が千葉大学教育学部(養護教諭養成課程)に教務補佐員として籍を置いていた時、故武田 敏先生は性教育の講演で全国を飛び回っていました。そして、“臭いものには蓋をする” “眠れる獅子は起こすな”・・・日本における性教育の難しさを嘆いていらっしゃいました。
私(1947年生まれ)が中学2年生の頃、「男子は外で遊んでいろ」…って先生。女子は暗幕のかかった教室で何やらお話しが・・・・・当時は何だか分からなかったが、日本の性教育の始まり“月経教育”ではなかったかと思います。
「女性の生理は男性が知る必要はない」「女性からすれば、生理のことは男性に知られないようにすべき」…男女ともそんな風に考えたのではないでしょうか?・・・・・それは生理だけでなく、性に関をする様々な事柄を“秘め事”にしてしまったのではないでしょうか?
そんな日本人の男女、中学生になって突然“子宮頸がんワクチンの接種”の話が出ても、子供達は子宮頸がんにならないために「みんな(全員)でやるんでしょう」とか「入学おめでとうワクチン」とか、なんだかよくわからないまま接種を受けたのではないでしょうか?
ワクチンと日本人の国民性、健康に関する教育
医学の発展は日進月歩、新しいワクチンが次々に開発され商業ベースであっという間に世界に広がる中、研究者は日本人の国民性など考えもせず、「外国では(ワクチン接種の)効果が上がっている」の一点張り、はたまた、「副反応で多くの子供たちが苦しんでいる」と真っ向から対立しています。
ワクチンは人間が人類のために発見・開発した宝物です。
今からでも遅くありません。人にとって最も重要なことは“自分の健康は自分で守る”ことです。そのためには、国語や数学、社会や理科それも大切ですが、健康に生きるための保健の授業を充実させ、対岸の火事にならないよう自らが考え実行できる教育が実現できれば、子宮頸がんワクチン接種の問題や子宮頸がん検診の受診率向上はもとより、性感染症の蔓延防止にもつながるのではないでしょうか。
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記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。