カンジダについて
原因になるのはカンジダ(Candida albicansやCandida glabrata)という真菌(カビの一種)です。
性感染症ではなく、抗生剤投与や体力低下、妊娠など常在菌やホルモンバランスの変化によって膣内フローラが不安定な時に異常繁殖して、かゆみやおりものの症状が出てしまった時に「カンジダ症」となります。
免疫力で自然治癒することが多いです。「カンジダかな?」と思ったら、まず免疫力アップと膣内フローラを整えることを心がけましょう。
カンジダ対策
*石鹸を使いすぎず善玉常在菌を大切にする
*雑菌の繁殖を防ぐ(通気性のいい肌着やぬるま湯で洗って清潔に保つ)
*休養と睡眠をしっかりとる
フローラとは:
一般的にフローラは「腸内フローラ」で聞き慣れている言葉ですよね。
腸の中も、膣の中と同じでいろいろな常在菌が生息していて、その菌たちがバランスとをって膣や腸の中を健康な状態に保つ働きをしています。
顕微鏡でその常在菌が生息している状態を観察してみると、まるでお花畑(英語でフローラ)のように見えることから、膣内フローラ、腸内フローラと呼ばれるようになりました。
フローラという英語の元々の意味はその地域特有の植物の群生を表すもので、あなたのフローラもまさにあなた特有の常在菌の群
通常、膣内が正常な状態を保っているのは膣内フローラのバランスが良いおかげです。特にデーデルライン桿菌という乳酸菌の一種が膣の中を健康な状態に保ってくれています。
その膣内フローラのバランスが乱れてカンジダ菌が多くなってしまうことによって起こる状態がカンジダ症です。
カンジダの症状
男性の症状
無症状
亀頭のかゆみ・不快感・違和感
赤み
白苔(肌が白く粉を吹いたような変化)
症状が見られる多くの場合は、包茎、糖尿病、ステロイド剤投与後などで、無症状がほとんどです。
女性の症状
症状はさまざまで、半数ほどの人は半年くらいは無症状なこともあります。カンジダ菌の異常繁殖が長引くと、おりものがふえたり、かゆみがなどの症状が出始めます。
外陰部や膣のかゆみ
ヒリヒリする
酒粕やヨーグルトのような白いおりものが増える
性交時に痛みを感じる
糖尿病やステロイド剤の投与後などは、膣よりも外陰部やデリケートゾーンにかゆみが集中することがあります。
カンジダの検査
検査のタイミング
症状があったらいつでも検査できます。
検査方法
カンジダの検査は顕微鏡で観察する方法や培養する方法があります。
病院でのカンジダ検査
病院でのカンジダ検査は培養してどれだけの量のカンジダがいるか調べます。
カンジダは常在菌として多少は存在している菌なので、少量のカンジダ菌が検出されても治療せずに様子を見ることがあります。
アイラボでのカンジダ検査
アイラボでは、スライドガラスに検体を塗り、パパニコロウ染色をした後に顕微鏡でカンジダの存在を調べます。
写真のように細胞の中に入り込んだ酵母状の菌と枝状に伸びる仮性菌糸が特徴です。
カンジダの検査ができる検査キット
女性用:
膣内フローラチェック
おりもの&においの検査
婦人科トータルセルフチェック
男性用:
カンジダの治療法
自然治癒
カンジダが発見されたとしてもすぐにカンジダ症と診断してお薬を使って治療するとは限りません。それは、性器付近の肌や粘膜にはカンジダ菌は常在菌の一部として存在しているからです。
まずは免疫力アップを心がけ、フローラのバランスを戻す方法です。
*石鹸を使いすぎず善玉常在菌を大切にする
*雑菌の繁殖を防ぐ(通気性のいい肌着やぬるま湯で洗って清潔に保つ)
*休養と睡眠をしっかりとる
それでも痒みやその他の症状が強かったり、おりものが増えるなどの症状が出た場合に治療の対象になります。
通院での連日投与
- イミダゾール系(エンペシド膣錠1日100mg、フロリード膣坐剤1日100mg、バリナスチン膣錠1日100mg、オキナゾール膣錠1日100mgなど)
- 1週間の治療をして効果を見る
週一回の膣錠
- バリナスチン膣錠一回600mg、オキナゾール膣錠一回600mgなど
その他、経口薬や塗り薬も使用されることもあります。
(参照:性感染症学会 性感染症 診断・治療ガイドライン2016)