コロナワクチンと乳がん検診 | 子宮頸がん・STD検査のアイラボ（東京都八王子市）

コロナワクチンと乳がん検診に関する報告がアメリカのペンシルバニア大学病院よりありました。

『コロナワクチンは乳がん検診に影響を及ぼしている』と言う報告です。

今年に入って乳がん検診を受けた女性がリンパ節の腫れという診断により、精密検査になる症例が急激に増えたというのです。

コロナワクチンと乳がん検診　検査士ダイアリー

コロナワクチンが乳がんの原因にはなりません。

今回報告のあった影響というのは、脇の下のリンパ節の腫れている患者が急激に増え、精密検査になる症例が増えているということでした。そして、コロナワクチンとの関連を疑うものであったという報告でした。

コロナワクチンに限らず腕の筋肉に注射をするワクチンは、その腕の筋肉内で免疫反応が起きます。そのため、炎症を起こした腕は数日痛くなったり、首や肩の張りが一時的に悪化したりなどはよくある軽度の副反応です。

この免疫反応の本部基地となるリンパ節は直近の腋窩（脇の下）のリンパ節の集まりになります。免疫反応が起きている間、リンパ節は一時的に腫れます。ワクチン後に正常の免疫反応が起きている良い証拠です。風邪をひいた時にのどのリンパ節が腫れるのと同じですね。

脇の下や胸の周りにあるリンパ節が腫れると、『あれ？今までなかったしこり？』と感じられる場合があります。

このリンパ節の腫れが、『コロナワクチンの後に乳がん？』という不安と疑問を引き起こしているようです。

ペンシルバニア大学病院が追跡調査をしたところ、多くの『リンパ節肥大（腫れ）による精密検査』を受けた女性は、乳がん検診の数週間以内にコロナワクチンを受けていたそうです。そして、リンパ節肥大が見られたのはワクチンを受けた腕と同じ方の脇の下。

そのことがわかってからは、ペンシルバニア大学病院ではコロナワクチンを受けた後数週間以内に乳がん検診を受け、リンパ節肥大の診断が出た場合は、数週間経ってから再検査をして様子を見ることとしました。その結果、再検査ではほとんどの女性のリンパ肥大は解消していたそうです。

乳がん検診の際（マンモグラフィー、超音波検査どちらでも）、リンパ節の肥大が見られた場合、乳がんやその他のがん（悪性リンパ腫など）の可能性を除去するために再検査や組織検査になる場合があります。

コロナワクチンに限らず、ワクチン接種後は一時的に脇の下のリンパ節が腫れる事があるので、乳がん検診に影響を及ぼす可能性があるのですね。

不必要な不安やストレスを避けるためにも、乳がん検診とワクチンは時間をおくのが良いのでしょう。そして止むを得ずワクチン接種後に乳がん検診を受ける場合は、検診時に担当医師に伝えるといいですね。

ペンシル大学病院ではコロナワクチンを接種する前、もしくは接種後4−6週間たってから乳がん検診を受けることを勧めています。

コロナ渦が長引いている中、どうしても検診は『今じゃなくても』と思ってしまいがちですよね。でも、癌や病気は待ってくれません。コロナ対策をして、検診はしっかりと受けていきましょう。

今はまだ、コロナワクチンの長い順番待ちの状態。だったら、待っている間に先に今年の乳がん検診を済ませてしまうのも一つですね！その時は、子宮頸がん検診もお忘れなく！

乳がん検診も予約を取るのも数ヶ月待ちの場合もあります。待っている間にも自分でもできることはあります。月に一度は自己触診をして、新しいしこりがないことを確認しましょう。

自己触診がよくわからない！という方は、是非ブレストケアグラブをお試しください。素手で自己触診するよりも、しこりが感じやすくなります。自己触診は毎月の生理後がお勧めです！胸の張りが引いて、一番触診しやすい時期です。

もししこりを感じた場合は、検診を待つのではなくすぐに乳腺科の先生に相談しましょう。

アメリカではコロナワクチンの接種は積極的に進んでいて、今日現在で人口の45%が一回以上の接種をしたようです。日本はまだ0.9%程度。希望者には早く接種のチャンスが来るといいですね。

引き続きの我慢の生活ですが、その中にもほっとできるひとときを見つけて頑張って一緒に乗り越えましょう。私の今の癒しは、根っこの出たアボカドの種を愛でることです♡

根の出たアボカドの種

もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士

国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。