女性に子宮頸がんを引き起こす多くの原因はハイリスク型のHPV感染ですよね。
その感染経路はどこなのか、、、それはハイリスク型のHPVを保有している男性からです。HPVはセックスによって感染します。
目次
ハイリスク型のHPVに感染したら必ずがんになるの?
なりません。HPV感染の約90%は体の免疫力によって自然に排除されるとされています。風邪やインフルエンザと同じように、自然と治っていきます。
しかし、10%くらいの場合がんへと向かってしまいます。それは、同じハイリスク型のHPVをなんどもなんども繰り返し感染することによる”持続感染”という状態が続くと起こります。
持続感染はどのように起こるのでしょうか?
それは、ハイリスク型のHPVを保有している男性と、繰り返しセックスすることによって繰り返し同じハイリスク型のHPVを受け取ることによって起こります。
持続感染をしてしまっても、すぐにがんになるわけではありません。細胞に変化が見られ始め、その変化の度合いがだんだんとひどくなり、前がん細胞へと変わっていくのです。
一般的にはHPVに感染してからがん化するまでに7〜10年かかると言われています。
HPVの持続感染をしないためにはどうしたらいいの?
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- コンドームを使用する:やはり、一番の防御策は直接触れないこと。ただ、残念なことにHPVは性液などの体液に含まれているのではなく、皮膚に存在しています。つまり、コンドームでカバーされていない部位にHPVが存在していた場合には守りきれないこともあります。
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- 自分が定期的に子宮頸がんの細胞診検査とHPV検査を行う:HPVに感染しているからといってがんになるわけではありません。でも、がんに向かっている細胞が見られるようになってきているなら要注意です。もし、細胞診検査で怪しい細胞が見られるようなのであれば、HPVハイリスクタイピング検査をお勧めします。もし自分がハイリスク型のHPVに感染しているのであれば、タイピングをしてどの型に感染をしているのかを知ることが大切です。そして、そのウイルスが免疫によって排除されていくのを確認さえしていけば(フォローアップ)持続感染しているのかどうかの確認ができますね。
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- 相手にハイリスク型HPVの検査を受けてもらう:男性のHPV検査もできます。一番安心なのは、相手にハイリスク型HPVの検査をしてもらい、もし保有しているのであれば、男性の免疫力によって排除されるまで待ってもらうのが安心ですね。
ハイリスク型のHPV感染は治療できるの?
今現在、特効薬はないとされています。その理由はハイリスク型HPV感染は男性の陰茎の皮膚には発症しない、つまり症状がないということです。コンジローマ型HPVとちがっていぼができるわけでもありません。
イボを起こすコンジローマ型のHPV感染の治療は、特別なお薬を塗ることによって、いぼがだんだん小さくなったりぽろっと落ちたりして治っていきます。でも、ハイリスク型の場合どこに感染しているのかわからないので薬をどこに塗ればいいのかわからないのです。
このお薬は使っている間は強いヒリヒリ感があるのでやみくもにどこでも塗ればいい、という使用方法はできません。
ただ、先ほども説明したように90%くらいのHPV感染は免疫力によって自然に治っていきます。それなので、もし感染が見つかったら、体の免疫力がやっつけてくれるまでは誰ともセックスをしないことがとても大切になってきます。
男性にハイリスク型のHPVが見つかったらどうする?まとめ
女性に子宮頸がんを起こすハイリスク型のHPVはセックスによって感染する
男性はハイリスク型のHPVを保有しても発症はしない
男性のハイリスク型のHPVは発症しないのでどこに感染しているかわからない
HPV感染の約90%は自然に免疫力によって排除され消えていく
女性はハイリスク型のHPVに持続感染をしていないことを定期的に確認することが大事
男性はハイスク型のHPVを保有していないか、自分をしっかりと知っておくことが大事
ハイリスク型のHPVに感染していたら、なくなるまでセックスしない!
大切な人の子宮、命、そして将来授かるかもしれない子供達の命のためにも、子宮頸がん検査、男性のハイリスク型HPVタイピング検査は定期的に行いましょう。
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記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。