早速答えの発表をしたいと思います!
子宮頸がんは20~30代の女性に急増している
子宮頸がんはウイルスの感染が主因
子宮頸がんの主因ウイルスはセックスによって感染する
子宮頸がんは癌になる前にわかる
子宮頸がんになっても子供が産める
子宮頸がん検査は自分でもできる
答えは全てYES!です。みなさん、正解しましたか?では詳しく見ていきましょう。
目次
1. 子宮頸がんは20~30代の女性に急増している
これは日本の国立がん研究センターによる婦人科がんの統計です。30代後半から40代以降に増えてくる乳がんや子宮体がん、卵巣がんにくらべて子宮頸がんは20代から30代に多く発病が見られています。
妊娠して初めて検診してがんが見つかった、出産後子育てや職場復帰で忙しくしている間にがんになってしまった、ということがとても多いことより、欧米ではマザーキラーとも言われています。
2. 子宮頸がんはウイルスの感染が主因
まず簡単に子宮について説明したいと思います。
子宮というのは、その入り口部分であり膣の奥にある子宮頸部という部分と、赤ちゃんが育つ子宮体部という二つの部分に分かれています。一般的にみなさんが子宮と言って思い浮かべるのはこの子宮体部の部分だと思います。
子宮頸がんができるのは、赤ちゃんが育つ子宮体部ではなく、この入り口の子宮頸部という部分になります。
この子宮頸部におこる子宮頸がんのおよそ85%の原因はHPV(Human papilloma virus)というウイルスだとされています。
ヒトに関係するHPVは100種類以上あると言われています。そのうち、子宮頸がんの原因とされているものをハイリスク型のHPVと言います。現時点で20種類以上のハイリスク型のHPVが見つかっています。
このウイルスが膣内に入り、子宮頸部の粘膜の小さな傷より侵入することによって細胞に入り込んでいき感染していきます。
3. 子宮頸がんの主因ウイルスはセックスによって感染する
HPVは自然に体の中に入り込むのではなく、HPVに感染している男性とのセックスによって子宮の入り口まで運ばれます。HPVを男性が保有していた場合、さらにセックスによる刺激により粘膜に傷がついてしまうことにより感染のコンディションが整ってしまうのです。
子宮頸部が膣内に飛び出ている部分(子宮腟部)はとても弱い細胞でできているため、普通にセックスをしたくらいでも簡単にその粘膜にタメージを与えてしまうのです。
しかし、男性の陰茎は外部の肌と同じ強い組織でできているのでウイルスの保有をしても発症することはありません。発症しないので症状もありません。それなので知らない間に感染させてしまうのです。
感染した女性のうち90%程度は免疫力によってHPVは排除されてしまいます。ただ、持続感染することによって10%くらいの場合はがんへとの変化を始めてしまうのです。
4. 子宮頸がんは癌になる前にわかる
子宮頸がん検査とは、一般的にはお医者さんが子宮の入り口から細胞を採取して顕微鏡でどのような細胞が出現しているかを調べる検査です。
調べる細胞はHPVに感染した細胞やがん細胞です。
正常細胞だけであるなら心配はいりません。欧米の統計では80%の女性は一生に一度はHPVに感染すると言われています。
HPV感染細胞が見られてもまだ約90%の場合は免疫力によって排除され自然治癒します。HPVが持続感染すると、正常細胞とは異なる異型細胞が見られるようになります。この状態が続くとがんに向かっている可能性が高くなるので、「前がん病変」というようになり治療対象になり始めます。
それなので、この段階でこの異変を見つけて治療することによって、がんではなく感染症の段階で子宮頸がん予備軍を処置できるということになるのです。この段階を過ぎてしまうとがんになり、出産が難しくなるどころか、命を失う危険もでてきます。
また、細胞診検査をすることによって、希望があれば子宮頸がんやHPV感染だけでなく、その他の感染症も見つけることができます。カンジダ、トリコモナス、細菌性膣症、膣炎などです。カンジダやトリコモナスが見られる場合は、女性には辛い症状のおりもの や、におい、かゆみが出ていると思うので、その治療もすることができます。
5. 子宮頸がんになっても子供が産める
先ほども説明しましたが、子宮頸がんというのはこの子宮の入り口の小さな部分にできるがんです。しかもほとんどは膣に近い方にできます。
それなので、早い段階で見つかればあかちゃんができる子宮体部を傷つけずに処置をすることができるのです。
この表は子宮頸がんのがん進行期分類を示しています。
0期から4期まであるうちの0期の上皮内癌とIa期の微小浸潤癌の段階で見つけられれば「子宮頸部円錐切除術」という、子宮頸部を円錐状に切除するだけの手術ですみます。それなので子宮体部を傷つけずに治療ができ、抗がん剤や放射線治療も必要ないので、多くの場合は治療後も妊娠可能になります。
そしてこの一番下にある5年生存率というのは、がんを発見して治療した後、5年後に生存している人の割合で、0期の場合は100%の5年生存率となっていて、いかに早い段階で見つけることが命を救えることにつながるのかということがわかると思います。
6. 子宮頸がん検査は自分でもできる
子宮がん検査が大事であるということは、ご理解いただけたかと思います。
でも、子育てや仕事で忙しかったり、婦人科の診察台に座ることが恥ずかしいという気持ちもよくわかります。そして、まだ20代、30代と若い人たちは「がんなんて自分にはまだ関係ない」と思ってしまいがちでしょう。
中には、いかなくちゃ、、、と思いつつも近くに安心して検査を受けられる病院がないということもあるかしれません。
子宮頸がん検診は医師が病院で採取するのが基本です。
でももし、あなたが子宮頸がん検査を受けていない理由が忙しいからとか恥ずかしいから、近くに安心して検査を受けられる病院がないという理由なのであれば、自己採取式子宮頸がん検査という選択肢があります。
自己採取器具はタンポン状のものでとても使いやすいものです。
滅菌されている医療機器で、ストッパーもついているので入れ過ぎてしまうという心配もありません。器具を膣に挿入してくるくるっと回すだけなので簡単に採取することができます。
病院では恥ずかしい診察台に座り、医師による内診があります。膣の中に手を入れて触診することです。そして器具を挿入して膣内を広げ、細胞の採取となります。もちろんこの方法に抵抗がない、もしくは勇気があってこれでも大丈夫!お医者さんに見てもらうのが一番安心、という方はこの方法で診察、検査を受けることがベストです。
でも、それは恥ずかしいから検査をしない、というのであれば、自己採取でもいいから検査をして、早い段階で子宮頸がん、子宮頸がん予備軍を見つけてください。アイラボでは皆さんが頑張って採取した検体を丁寧に濃縮して検査をしていますので、この方法で採取しても医師採取とほぼ同等の精度の検査がちゃんとできます。自己採取ならなんでも同じ、ということではないのでそこだけは注意してください。
ふさわしい自己採取器具と、ちゃんとした検体処理の手順があるからこそ、自己採取でもしっかりと検査することができるのです。ふさわしくない採取器具や検体処理をしてしまうと、せっかく頑張って検査を受けても、HPV感染やがんの発見率は悪くなってしまいます。せっかく検査をするのならば、正しい結果が出る検査を受けることが大事だということをよく覚えていてください。
子宮頸がんYES/NOまとめ
きちんと正しい知識を持って、きちんと定期的に検査をすることによって、ウイルス感染の段階でがんを阻止できるのは子宮頸がんの特徴です。
せっかくがんになる前に処置できるがんなのに、検査を受けないがためにまだまだ命を失ってしまう人がいるがんであることが、とても切なく思われませんか?
子宮頸がんは特別な病気ではありません。HPVは約80%の女性が一生のうちに一度は感染すると言われています。
つまり、あなたが感染していてもはずかしいことではありません。
そして、子宮頸がんはかなり進行するまで症状はほとんどありません。
早期発見のためには定期的な検診がとても大事なのです。
セックスをするようになったら、年に一度は子宮頸がん検査を受けることを当たり前にしていきましょう。
おすすめの検査キット
こちらの記事を読んで気になった方へのおすすめ検査キットはこちらです。
自宅でご自身で採取出来、病院に行けなくても安心して検査が受けられます。
記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。