男性HPVワクチン無償化の現状の報告です!
男性へのHPVワクチンの無償化がやっと日本でも起こり始めています。青森県平川市にて2022年8月から男性のHPVワクチン接種費用の公費助成が開始されました。北海道余市町も開始しています。
そしていよいよ今年の4月からは千葉県いすみ市、2023年8月には東京都中野区でも男性の接種費用助成の開始が予定されています。
目次
男性HPVワクチン無償化の現状:青森県平川市
青森県平川市ではこのような説明のもと、男性にもHPVワクチンの無償提供が始まっています。
無償で提供されているのは4価のガーダシル、申し込み期限は今年の4月30日までとかなり締め切りが迫ってきているので、青森県平川市の男性でまだ受けていない方、受けようと思っている方はお早めにお申し込みを!
詳しくはこちらの青森県平川市のWEBサイトをご確認ください。
12歳から25歳の男性ということですが、無償化提供期間が1年以下と非常に短い期間で三回受けることはかなり厳しい条件だと思うので、この申込期間、延長してくれるといいですね。
男性HPVワクチン無償化の現状:北海道余市町
HPVワクチンを男女ともに接種することで、パートナー間のHPV感染拡大を予防し、女性の子宮頸がんをはじめ、男性に多い咽頭がんや肛門がんの発症予防につながると考えられています。
北海道余市町でも12歳から25歳の男性ということです。こちらも4価のガーダシル。
北海道余市町の場合、一時的な無償化ではなく新規事業として行っていて特に申し込み期限などはないようです。
詳しくは北海道余市町のWEBサイトをご確認ください。
男性HPVワクチン無償化の現状:千葉県いすみ市
千葉県いすみ市に関してはまだ自治体のウエブサイトで男性のHPVワクチンについての詳細を見つけることができませんでしたが、千葉日報によると小学6年~高校1年相当が対象で現在では5人分の予算が取られているようです。
いすみ市内の対象男性者の数は約630名。予算5名分では1%にも満たないことになりちょっと心配です。ただ、『状況に応じて追加する』ということなので、全ての対象者のうちの希望者みんながしっかりと受けられることだと信じています。
対象者の皆さん!しっかり自分で考えて、しっかり自分で調べて、受けるべきか受けない方がいいのか、自分で考えていきましょう。HPVについて学ぶとってもいいチャンスですよ!
ちなみにうちの息子は10歳と11歳で2回接種して完了しています。アメリカ在住だったため、早期接種なことと9価ガーダシルなので2回でOKでした。
詳しくは息子の体験記を参考にしてみてください。
男性HPVワクチン無償化の現状:東京都中野区
やっときました東京!なぜ東京がこんなに遅いのか、なぜ中野区だけなのか、、、私の調査不足なのか、、、、
ちょっと悶々とする、中野区が提示するこの『概要』。HPV感染は性感染症を引き起こすのですか?HPVワクチンを受けると男性の性感染症を防止する?!?!?!これは、、、かなり間違った理解をされそうで怖いです。
中野区の男性の皆さん、HPVワクチンを受けてHPVの持続感染を予防することができても、クラミジア、淋病、梅毒、HIVなどの性感染症は防げませんのでご注意ください。
男性がHPVワクチンによって防げる疾患はHPV関連がんと呼ばれる、HPVの持続感染が原因で起こるがんで、主に陰茎、肛門、中咽頭の粘膜にできるがんと性器のイボです。
HPV関連がんについて詳しくはこちらのブログを読んでみてくださいね。
中野区の対象は中野区在住の小学6年生から高校1年生の男子で、4価のガーダシルです。確かにこの時期に接種を済ませることが一番効果的ですが(本来はもっと早く開始が更にに効果的)、今まで受けられていなくてまだHPV感染がない、セックスの経験がないという若い男性のためにも、他市のように数年は25歳くらいまで対象にしてあげられたらよかったのにな、と思います。
中野区のHPVワクチン情報はこちらをご確認ください。ちなみに、8月1日以前は対象外なので、それ以前に接種を始めないように気をつけましょう!
男性HPVワクチン無償化の現状:まとめ
なんと言っても、4価のガーダシルということがとても残念でなりません。アメリカでは4価のガーダシルはもう存在しないくらい過去のものです。女子の9価が認められているのに、なぜ男子は4価なのか、とても残念です。
でも、こうやって男性用のHPVワクチンを受ける選択肢がゆっくりでもでき始めているのは嬉しいことですね。どんどん他の自治体も男性HPVワクチンを無償化して行って欲しいと思います。是非、9価のガーダシルでお願いします!
HPVワクチンだけでなく、全てのワクチンに関しての意見は人それぞれ。私はこの記事を書くことで、『受けるべき』と言っているわけではありません。受けたいと思っている方への情報や、受けるべきかと迷っている方の決断のお手伝いが少しでもできたらいいなと思って書いています。受けないと決めた方の意思ももちろん尊重します。
一つ大切なのは、受ける本人がどうしたいか、ということをしっかりと話し合い、本人の意思を大切にしてあげられたらなと思います。対象は小学校6年生から。ちょうど性教育をご家庭でするのにもとてもいい時期。
HPVワクチンをどうするのか、ということをきっかけにHPV感染と子宮頸がん、HPV関連がん、そして性感染症について、家族で一緒に性について話せる環境作りを始められたらいいですね。
ちなみに、HPVワクチンはHPVに接触してしまった後から受けても効果がありません。初めてセックスをする前に接種を完了させましょう。
そしてもう一度言います、HPVワクチンでHPV感染以外の感染症(性感染症を含む)予防はできません!
おすすめの検査キット
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記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。