学校で性教育の授業があるたびに興味津々の小6女子。
ついこの前も、勃起について習ってきたら、夕飯の食卓で高校生の兄に
「お兄ちゃんも勃起ってしたことあるの?勃起したらどうするの?」と聞ける強者。
今度は着床について学んできたらしい。早速また母にその質問が来たようです。
「精子と卵子がくっつくと子供が出来るんでしょ?どうやったら着床するの?」
ふむふむ、そこまではなんとか説明ができる範囲だが、彼女の疑問には続きがありました。
「わたしにも精子があれば妊娠するの?R(大好きなアイドル)の精子があれば、わたしRの赤ちゃん産めるの?」(もちろん目はハート)
答えに困ったお母さんは、「ちょっと今どう答えていいかよくわからないから、お勉強しておくね。」と言ってとりあえずその場を乗り切り、アイラボに相談してくださいました。以前に性教育に関するアイラボのブログを読んでいてくれたので、何か困ったら相談しようと思っていてくれたようです。
まずお母さんの対応に100点でしたよと伝えさせていただきました。彼女の今持っている「家族には話しても大丈夫」という安心感は性教育にとってとっても大事なことなので、上手に作り上げたその環境をこれからも大切に大切にそのままでいられるようにしてあげてくださいと。
子供は素直なので、まだ性に関することが恥ずかしいこと、話してはいけないことという認識が生まれていないそのうちから、そういうことを話せる環境を作っておくことは本当に大切なことなのです。
それなので「なんでそんなこと聞くの!とかそんなこと考えちゃいけません!!とかそのせっかくある素晴らしい環境を壊してしまうようなことを言わずに、ちゃんと受け止めたお母さんは偉い!!!」と真っ先に褒めてしまいました。
目次
セックスの話をする=していいよ?
子供に性やセックスの話をすると、することを認めてしまっているのではないかと思ってしまうのが親心です。私でもそう思ってしまう時もあります。
でも実は専門家の統計によると、しっかりと話をし、性について、セックスによって起こる感染症や妊娠、がんの恐れなどについて、しっかりと知っている子供の方が、初体験が遅いというデータを以前、日本性感染症学会の発表で見ました。
その時の講師によると、しっかりと知識を持つことで自分はまだそれだけの責任を持てない、病気になりたくない、などの認識が高くなり、興味だけで行動に出なくなるからだそうです。
以前他の家族ですが、高校生の息子に彼女ができたと知った両親がまずしたことは、コンドームを用意し、「この棚に入れておくから、必要ならここから使っていいから。」という勇気ある行動だったそうです。そして、妊娠のこと、性的同意のこと、そして性感染症のことについて話したそうです。
彼女ができたことすら隠していたその男子ですら、親のその行動から心を開き、「まだそんなことをする勇気なんてないからしないよ」とちゃんと伝えてくれたそう。
しちゃダメ!ではなくて、ちゃんと知っていなさい、持っていなさい、という教育の方が子供としてもちゃんとした判断ができるようになってくれるようですね。
このコロナ自粛期間中、10代の女子の妊娠が急激に増えたというニュースを何度も耳にし心が痛みました。中には10歳の子もいたとか。
この子たちが、正しい知識をもっと持っていたら、家族と性の話がもっと普通にできていたら、自粛中で暇だから、お金が欲しいからという理由で彼氏や知らない男性とセックスをするいう結果ではなく、別の選択をできた子たちもいるのかなと思うと、日本の性教育の遅れや偏りを悔やむしかできません。
そんなこと聞かれてもどう答えていいのかわからない
そう思われる親御さんもたくさんいらっしゃると思います。私でも、興味津々男子にどう説明していいのか困ることばかりです。おっぱいに興味を持ったらしく、勉強しているのかと思ったら検索画像でおっぱいを見ていたところを確保!なんてこともよくあります。
「なんでこんなの見てるの?」というと、大抵恥ずかしさから泣き出して「もう見ません」といいだすのですが、「いやいや、男の子だし、興味を持ってしまうのは当たり前のことだからいいのだけど、こういうインターネットから正しいのか間違ってるのかもわからない情報を見るのはよくないと思うんだよね。興味を持ってしまうのは仕方ないけど、だからと言ってこういうサイトを見てもいいとも言えないんだよね。私もどう答えてあげていいかわからない。」
そんな会話になると、本人ももう落ち着いて、何が正しくて何が正しくない情報なの?とか聞いてくるようになります。そうなると、性的同意から性感染症、妊娠、子宮頸がんなど自分の得意分野に持っていけるわけです。でも、いつも全部答えられるわけでもありません。でも、正しいことを知っていることの重要性を伝えることと、別に怒ることじゃないから、聞いてくれていいんだよということは伝えるようにしています。
そういう場になってしまった時に、その返事に困るから、どう答えていいのかわからない、そんなこと話すのは自分が恥ずかしいから、という理由で、「そんなこと言っちゃダメ」ということだけは言わないようにしてあげてください。
将来、万が一妊娠や性感染症になってしまった時に、親に言えずに一人でただただ泣いている子供の姿をみて、「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」と言っている自分を想像してみてください。
恥ずかしくても、話していいんだよ、一緒に考えよう、という環境を小さいうちからゆっくり作っていってあげてください。
答えに困ったときは、「ごめんね、今すぐには答えてあげられないけど、ちょっとママもどう説明したらいいのかお勉強してくるから少し時間頂戴ね。ママに聞いてくれてありがとうね、ちゃんと答えるからね。」と正直に伝えてあげればよいのです。私だっていつもすぐに答えられず、そうしている時だってあります。
私たちの世代は、性は恥ずかしいこと、話すべきでないこと、触れないこと、という環境で育ってきました。だから、親だからといってきちんとした性教育がされているかと言ったらそうではないのです。それなので、親が答えに困ってしまうのも当然なのです。
ちゃんと調べて、自分がまず正しい知識を落とし込んで、それから伝えるので全然いいのです。
そしてそんな時は、アイラボのご相談くださいね。今のその子にとってベストな答えを一緒に考えていきましょう。
記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。