性病といえば淋病、クラミジア、 HIV、梅毒、この辺りが心配になってくるのではないでしょうか?今回は淋病についてお話ししようと思います。
目次
淋病ってどんな病気?
淋病は、淋菌(リンキン)という菌の感染で起こる病気で、主に男性の尿道炎、女性の子宮頸管炎を起こします。オーラルセックスによって咽頭(のど)への感染が増加していますが、自覚症状が全くないため、知らないうちにうつしていることが多いでしょう。
淋病は増えているの?
厚生労働省のデータによると、淋病の罹患率はここ数年で減ってきているようです。
総数 | 男性 | 女性 | |
平成24年度 | 9248 | 7507 | 1941 |
平成25年度 | 9488 | 7591 | 1877 |
平成26年度 | 9805 | 7710 | 2095 |
平成27年度 | 8698 | 6905 | 1795 |
平成28年度 | 8298 | 6654 | 1644 |
しかしこのデータを見ていて一番驚いたのが、男女ともに一番罹患率の多い年齢層は20−24歳ということです。個人的には淋病は40代くらいの男性が多いイメージがあったのですが、やはり性的に活発になり始める20代前半が一番多いのは、驚くことではないのでしょう。
淋病の症状
男性
尿道炎による激しい排尿痛を訴えます。
感染してから数日から1週間以内に激しい排尿時の痛みを感じ、尿道から膿(うみ)が出てくるのが特徴です。尿道炎を起こす性感染症にはクラミジアやマイコプラズマなどありますが、症状は最も激しいのが男性の淋病です。治療しないで放置すると精巣上体炎を起こし、陰嚢は大きくなり痛みを伴い時には歩行困難になることもある。
ただ気をつけなければいけないのは、のどに感染してもほとんど症状は出ません。キスやクリニングスをしたことによりのどに感染してしまった場合、症状がないために気がつかず、感染を広めてしまう危険性があります。
女性
男性に比べると症状は乏しく、全く症状がないこともあります。
自覚症状で最も多いのがオリモノの増加で、とくに生理ではない時に出血することがあります。また、外陰部、尿道、バルトリン腺へ炎症が広がると腫れや強い痛みを感じることもあります。
症状が似ているため、クラミジア、トリコモナス、マイコプラズマやウレアプラズマとの鑑別が必要になります。
男性同様、のどに感染しても症状はありません。風俗店などで口でのお仕事をしている女性は特に喉の検査を定期的にすることが強く勧められます。
どうやって感染するの?
淋菌自体は弱い菌なので、体外に出ると感染力は強くありません。しかし、キスや性行為で口と口や性器の接触があるときには1 回の行為で感染する割合は約30%と、感染力が高い菌です。少しだけコンドームなしで、、、口でのサービスだけだから、と安心はしていられませんね。
検査はどうやるの?
症状が出るまでに数日から1週間ほどありますので、症状がある場合はその時点で、症状がない場合は1週間経ってから検査しましょう。
通常は綿棒採取検体、尿、うがい液などで調べます。尿道炎や膿などの症状がある場合、原因になる菌は大量に存在するため、検出しやすくなります。
しかし症状が乏しいケースや全くない時は、検体の採取は慎重に行われなくてはなりません。特に最も簡単な尿で調べる場合は、採取までに2時間以上排尿していない事、出始めの尿(初尿)を採取することが極めて重要です。多く採ればよいのではなく、出始めの尿が最も菌の量が多いのです。それを薄めれば薄まるほど検出感度は下がります。初尿につての詳しい説明はこちら。
また、淋病に感染してしまった可能性がある行為をした場合、淋病だけでなくクラミジアも同時に検査することを強くお勧めします。症状が似ているため、検査しなければどちらに感染しているかの区別をすることはとても難しいです。
治療は?治るの?
もし淋病に感染してしまっていることがわかったら、直ちに受診をしてお薬を処方してもらいましょう。
淋病は通常は投薬によって完治しますが、稀に薬剤耐性淋菌の場合には完治までに時間がかかることもあります。再発防止のためにも、治療後に本当に淋菌が残っていないことを確認するために、完治確認検査は必ずしましょう。
また、淋病はクラミジアとの同時感染が多いのも特徴ですが、治療薬が異なるため、それぞれの検査、治療が必要です。まずはしっかりと検査をして、なんの治療が必要なのか把握しましょう。
もし相手にすでにうつしてしまっていたら、自分だけ治療してもまたもらってしまうだけです。二人揃って検査、治療するのが一番でしょう。
おすすめの検査キット
こちらの記事を読んで気になった方へのおすすめ検査キットはこちらです。
自宅でご自身で採取出来、病院に行けなくても安心して検査が受けられます。
記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。