子宮頸がんの主因となるハイリスク型のヒューマンパピローマウイルス(HPV)は感染している男性からセックスによってうつるって、知っていましたか?
男性の皆さん、子宮頸がんは女性のがんで、俺には関係ない!って思っていませんでしたか?
関係ありありです。
HPVはHuman Papilloma Virusの略で、基本的にイボの原因となるウイルスで150種類以上あると言われています。
その中でハイリスク型のHPV15種類以上が子宮頸がんに関連しているということがわかっています。
現在はそのうち16型と18型が80〜90%を占めているため、よく聞くHPVワクチンはこの2種類をターゲットにしているものがほとんどです。
目次
なんでウイルス感染ががんになるの?
ウイルス感染とがんは別物!そんなイメージがありますよね。
でも、ウイルスによっては細胞の中に入り込んで、構造や機能を変えてしまうパワーのあるものもあるのです。
ウイルスそのものやウイルス感染によっておかしくなってしまった細胞は、通常であれば体の免疫システムに認識されて、攻撃されて排除されていきます。HPVも90%くらいは免疫システムによって自然に排除されます。
しかし、持続感染という、感染が繰り返し行われている状態や膣からそのウイルスがいなくならない環境が続いてしまうと、免疫システムの力も残念ながら負けてしまい、ウイルスの繁殖、細胞への障害が優位になってしまいます。
細胞が正常な状態でそのサイクルを全うできなくなると、それはがん化という異常にへと変化していってしまうのです。
なんで子宮がない俺が子宮頸がんと関係あるの?
ですよね。でも、そのHPVウイルスはあなたの性器付近の皮膚に潜んでいることができるのです。
ペニスの皮膚は、膣や子宮と違ってとても強い皮膚でできているので、HPVウイルスに接触しても発症はしません。発症しないということは細胞に変化をもたらしたり、がんへ変化することはないということです(100%ないというわけではないですが、とても稀だそうです)。だから、全く症状はありません。症状がないから、何かに感染してるなんてまったく気がつかないですよね。
しかし、症状はしなくてもウイルスを保有することはできます。それなので、そのウイルスを相手の女性の膣内へと運んでしまうのがあなたのペニスなのです。
先ほども説明しましたが、子宮頸がんもウイルス感染の状態から始まるので、まずは免疫システムの攻撃が始まります。でも、あなたが繰り返し同じ女性とセックスをすることによって、お互いに同じ型のHPVをうつし合い続け(ピンポン球感染)、「持続感染」という状態を作ってしまうのです。それが、あなたが女性の子宮頸がんに関係しているということなのです。
じゃあ、相手を子宮頸がんから守るにはどうしたらいいの?
まずは、自分とお相手の女性がハイリスク型のHPVを保有していないこと(女性は子宮頸がんになるサインの細胞の変化も含めて)を一緒に確認するのが一番でしょう。
今二人の間に存在しないウイルス感染は、二人だけの関係である限り入り込んできません。
もし、どちらかにHPV感染が見つかってしまったらどうするの?
今現在、ウイルス感染がみつかっても、治療薬はありません。ただ、免疫システムで排除されていくウイルス感染なので、それを待つことが一番身体に優しく、相手に優しい治療となります。
ウイルスが発見されてしまったら、何型なのか(例えば16型とか)をしっかりと調べ、その特定のウイルスが完全に検出できなくなるまで、セックスは控えることが大事になってきます。HPVはコンドームではカバーできない根元付近の皮膚にも生息できるので、コンドームをすればいいということもありません。ウイルスがいなくなるまでは、しっかりと接触を控えましょう。
そして、相手の女性もしっかりと子宮頸がん検査を病院で受けて、細胞の異常がないことを確認していきましょう。
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記事監修
もかちゃん
臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士
国際細胞検査士の資格を活かし、日本とアメリカにて検査士として長年勤務。
海外の事情も知るからこそ出来る、日本とアメリカの子宮頸がんや性病に関する知識・医療体制の違いや性教育の違いについてなど、幅広く情報を発信しています。