子宮頚がん・HPV

【産婦人科医監修】厚生労働省がHPVワクチンの情報を改訂しました

厚生労働省がHPVワクチンの情報を改訂

2013年4月に定期接種となったHPVワクチン(当時の名称は子宮頸がん予防ワクチン)でしたが、副反応の報告が相次いだことにより、同じ年の6月には積極的な勧告を中止にしたままにされたまま5年弱経ってしまいました。

今月(2018年1月)18日にその情報は厚生労働省によりようやく改訂され、公開されました。HPVワクチンの接種は再び定期接種となるのでしょうか?その効果や副反応についてもっと安心できる情報が公開されたのでしょうか?

今回公開されたものは、3部に別れています。

  • HPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へ
  • HPVワクチンを受けるお子様と保護者の方へ
  • HPVワクチンの接種に当たって 医療従事者の方へ

今日のブログでは、青の資料「HPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へ」を一緒に読んでみようかと思います。

その前に、定期接種ではないようですね。まだこのような記述がされています。

H P V ワクチンは、積極的におすすめすることを一時的にやめています


この記事の監修医師:
日本大学医学部卒、日本大学病院産婦人科などを経て現在はフクイ産婦人科クリニックで活躍中。アメリカペンシルバニア大学病理細胞診断部訪問、アルバート・アインシュタイン医大に留学など国際派産婦人科医。

HPVワクチン接種の意義と効果

HPVワクチンの意義

子宮けいがんの原因は、性的接触によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)です。そのため、ワクチンを接種してウイルスの感染を防ぐことで、子宮けいがんを予防できると考えられています。

子宮頚(けい)がんはエッチすることによってうつる、ウイルス感染が主因です。そのウイルスの名前はヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus:頭文字をとってHPV)。このウイルスに対するワクチンを接種することによって、抗体という物質ができ、次にこのウイルスが体の中に入ってきたときにすぐに戦える準備ができるのです。これが「免疫ができる」というのです。

このようにワクチンを使って免疫を作ることによって、本当のウイルスがエッチによって体の中に入ってきてしまったときに、体の中でウイルスが増えてしまう前に攻撃してやっつけてしまうことができるのです。これがワクチンの意義です。

HPVワクチンの効果

まず、HPVが体の中に入ってしまうと必ずがんになってしまうのでしょうか?下の図を見てみるとわかると思いますが、エッチによってHPVが体の中に入ってしまっても、体自身の免疫でほとんどは退治できてしまうのです。

図引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/

ここでワクチンの効果が出るときですね。ワクチンをしておくことによって、免疫ができているので、ウイルスが入ってきても即戦力がすでにあるのでやっつけてしまうのです。

HPVワクチンだけで本当に子宮頚がんから守れるの?

ワクチンの効果があるHPVの型

現在使用されているHPVワクチンは、子宮けいがんの原因の50~70%を占める2つのタイプ(HPV16型と18型)のウイルスの感染を防ぎます。

ここで心配なのが、このワクチンに含まれるもの。たった二つのHPVタイプなのです。HPV16型と18型はHPVが子宮頚がんと関係があるとわかった当初からハイリスク型とされてきたものです。

注)ちょっと難しい話ですが、日本で認められているHPVワクチンは2種類あって、2価HPVワクチンが16型と18型が2種類入っているもの(商品名:サーバリックス)で、4価HPVワクチンが16型と18型に加え6型と11型が含まれているもの(商品名:ガーダシル)です。4価のガーダシルに含まれる6型と11型は子宮頚がんをおこすHPVではなく、イボ(コンジローマ)をおこすHPVウイルスなので、どちらのワクチンも子宮頚がん予防の面から見たら、16型と18型のみ、ということになります。現在9価HPVワクチンも開発されていますが、日本ではまだ承認されていません。

その後20年くらいが経ち、今では子宮頚がんに関わっていると言われているHPVの型はどんどん増えています。アイラボでも、今ハイリスクのHPV検査では13種類の型を調べています。さらに増やそうかとも考えているくらいです。

最近では学会などに行くと、欧米人は18型が多く見られるのに比べ、日本人で多く見られるのは50番代のHPV(51,52,56,58,59)だという発表もされています。それなので、国外で作られた、たった2種類のHPVの種類のワクチンをすることによって、本当にどれだけ子宮頚がんから守れるのか、と言うことは知っておかなければいけない事実だと思います。

ワクチンをしたから大丈夫、と完全に安心はできません。また、安心してしまって、エッチをしても子宮頚がん検診を受けないがために、子宮頚がんの発見が遅れてしまう、と言う危険性もあると思います。

繰り返し感染する事による持続感染(じぞくかんせん)

HPVはおたふくや水疱瘡と違い何度でも感染します。なので、HPVを持っている相手とエッチをすることによって、繰り返し何度も同じウイルスに感染してしまうことがあります。それを持続感染と言います。持続感染が続くと子宮の中の細胞がだんだん悪くなってしまうのです。

それでも体は頑張ってそのウイルスをやっつけようとします。ほとんどの場合、この状態になっても自然に悪い細胞は消えていきます。でももし消えなかったら?どうしたら見つけられるの?

このような心配が出てくるほどエッチをすることに慣れて来た場合は、もうワクチンの効果を期待するよりは、今度は次のステップの子宮頚がん検診を受ける習慣をつけることが大事になって来ます。

これからは、守る、予防するではなく、早く見つけることが大事になってくるからです。これについてはまた他の機会にしっかり説明しようと思います。

ワクチンの効果はどれくらい続くの?

今回公開となったHPVワクチンの医療従事者向けの資料によると、推奨年齢の9歳で3回の接種スケジュールを全て受けた場合に、最も高い免疫が見られたのが9歳から15歳でそのあと少なくとも10年の間はワクチンの効果があるとされているようです。

果たして9歳で接種するのが効果的なのでしょうか。15歳未満でエッチをする割合と20歳以降にエッチをする割合を考えた場合、9歳で接種をしてもエッチをするようになる20代には効果が薄れて来てしまっている可能性もある、と言うことになってしまいますよね。

厚生労働省の新しいHPVワクチン情報のまとめ

長くなってしまったので、今回は1ページ目だけで終わりにして、続きはまた次回にします。

今回学んだことは

  • 子宮けいがんはHPVというウイルスの感染によって起こるものがほとんど
  • HPVはエッチでうつる
  • ワクチンは免疫を作るために接種する
  • HPVワクチンにはHPV16型と18型しか含まれていない
  • 子宮頚がんの原因となるHPVの方は16,18だけではない
  • HPVに感染しても、ほとんどは免疫によって退治される
  • それでも退治されなかったHPV感染は検診によってがんになる前に見つけられる
  • ワクチンの効果は10年以上は効果があるのかの確認は取れていない

これくらいでしょうか。たくさん大事なことを学びましたね。本当ならば、エッチを考える相手ができてから親にしっかり相談し、「この相手と次のステップに進もうと思っている、だからHPVの接種を受けたい。」と子供が親に伝えられる環境を親が作ってあげられていられるのが理想ですよね。

「それじゃあ、3回のワクチン接種が終わるまでの間に、セックスについて、避妊について、性病について一緒にしっかり勉強しよう。その間、相手にもちゃんと待ってもらう約束をしよう。」

こういう会話ができる家庭があったら、何もわからない9歳にワクチンを接種するのではなく、例えば19歳になってからしっかり理解した上でワクチンを接種し、少なくとも妊娠適齢期まで守り続けられる方がよほど効果的なのではないでしょうか。

「お母さん、最近変なおりものが出るんだよ。病院に行った方がいいかな。。。」そういう会話が家庭で増えれば、子宮頚がんだけでなく性病、性感染症による子供達の身体的、精神的不安、そして将来的に不妊症など、多くのことから子供達の将来を救えるのではないのでしょうか。

ちょっと脱線してしまいましたが、厚生労働省のHPVワクチンの新しい情報の解説、まだまだ続きます!

Written by: Natsuko Shiina, MBA, CT (ASCP, JSC, IAC)

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