肝炎とは

肝炎(A型・B型・C型)

何らかの原因で肝臓に炎症が起こり、肝細胞が破壊される病気です。

原因はウイルスの感染、アルコールなどの薬物、さらに自己免疫などがあります。

我が国で肝炎といえば肝炎ウイルスによるものが大半で、中でもB型肝炎やC型肝炎が一般に広く知られています。A型肝炎ウイルスは食べ物や水から感染しますが、生活環境が改善した日本では減少しています。しかし、東南アジア等の旅行先で感染するケースが見られます。その他にもD型・E型肝炎が知られていますが、この項では性行為による感染の危険性があるA型・B型・C型肝炎を中心に解説します。

A型肝炎ってどんな病気?  

A型肝炎ウイルスHepatitis A Virus(HAV)は、飲食物と一緒に口から入り込み、消化管より肝臓に運ばれ、肝細胞の中で増えます。B型肝炎やC型肝炎が血液を介して感染するのとは感染ルートが異なります。日本のように上下水道などの生活環境が整備された地域では減少傾向にある肝炎です。

A型肝炎の症状  

A型肝炎は、感染後1ヵ月程の潜伏期間を経て38℃以上の発熱、倦怠感(だるい)、食欲不振、吐き気、腹痛などの症状が出現し、数日後には肝炎特有の黄疸が出現し、おおむね3ヵ月以内に症状はなくなりますが、まれに重篤な劇症肝炎になることもあります。

HAVがうつる原因と予防  

経口感染が原因ですので、自身の知識で感染を予防で来るのもA型肝炎の特徴です。

具体的には、衛生状態がよくない海外に旅行した際、加熱処理していない水や氷、アイスキャンディー、サラダなどの生野菜、カットフルーツなどの果物、カキやホタテなどの生の海産物の飲食には十分気をつけるべきです。

あまり注意喚起されていませんが、フェラ、クンニ、アナルなめなどの“不潔性行為”は避けるべきです。

A型肝炎の検査  

感染後、1週間から10日程でIgM抗体が上昇しますので、血清中のA型肝炎抗体が確認されれば診断の決め手になります。前に述べましたように、我が国でA型肝炎は少ない

※現在アイラボではこの検査は実施しておりません。

A型肝炎の治療  

原則は安静に保ち、症状に応じた対症療法で経過観察しますが、子供に比べ成人で重症化することがあります。また、症状がなくなってもしばらくはHAVが排出されていますので、家族等の感染には注意が必要です。なお、A型肝炎は、慢性肝炎になることはありません。 

 

B型肝炎ってどんな病気?  

B型肝炎ウイルスHepatitis B virus (HBV)は、血液や体液を介してヒトからヒトに感染して肝炎を起こします。肝炎が持続すると慢性肝炎となり、さらに肝硬変から肝がんへと進むことがあります。

子供への感染は主にHBVに感染した母親(HBキャリア)から生まれる際に感染しますが、父親など一緒に生活する家族からの感染もあります。成人のHBV感染はHBVに感染したパートナー(HBキャリア)との性行為による感染が一般的です。

日本人では、HBVに感染している母親から「胎児の時」または「出産の時」に感染すると90%以上はHBe抗原陽性の無症候性キャリア(症状が出ない感染者)になり、この状態をHPV持続感染と言います。成長するにつれ免疫力が増してHBVに対する抗体が作られるようになります。作られた抗体は肝細胞の中に存在するHBVと反応するため、HBVに感染している肝細胞は破壊されて排除されますが、85-90%は無症候性キャリアに、10-15%は慢性肝炎に移行し肝硬変や肝臓がんになると言われています。

一方、免疫系が発達した成人の場合は、一次的な感染(一過性感染)で、症状が出ない不顕性感染で終わるのが大半です。肝炎の症状が現れる(顕性感染)ではまれに極めて症状が重い劇症肝炎になることもあります。

※HBe抗原については『B型肝炎の検査の項』で解説しています。

HBVを遺伝子的に分けると、AからJの10型に分けられますが、日本ではC型が圧倒的に多く、次いでB型ですが、これらのキャリア化はまれです。しかし、ヨーロッパに多いA型は性的接触で成人に広がり、急性肝炎の一部はキャリア化することが注目されています。

このように、HBVは肝炎の症状が出ていない無症候性キャリアの人からうつりますので、HBVを感染させる危険性があるかどうか、または感染してしまったかどうかを調べるためにはHBs抗原の有無を調べることが重要になってきます。

※HBs抗原については『B型肝炎の検査の項』で解説しています。

B型肝炎の症状  

性行為で感染した場合、おおむね2週間から1ヵ月半でHBs抗原が検出されるようになります。HBsが検出され始めて2・3週間経過するころから、倦怠感(だるさ)や食欲不振、黄疸症状などの自覚症状が出現し、尿は褐色のビリルビン尿になります。

症状が重い劇症化になる頻度は少ないものの、血液凝固機能の低下(プロトロンビン時間)やGPTが低下したにもかかわらず黄疸が進む場合は劇症化を考慮する必要があります。

HBVがうつる原因と予防  

我が国において成人の急性B型肝炎は性行為によるHBV感染が原因と考えられています。当社の性病無料相談には様々な内容の相談が寄せられます。「軽いキスでもうつりますか?」「フェラのみのサービスを受けたのですがうつりますか?」「スマタという行為でうつりますか?」等々です。

HBVは血液や体液、分泌物にも存在しますが、健康な皮膚や粘膜に付着しても感染は成立しません。しかし、性行為の多くは接触するだけではなく“こする”という物理的な動作が加わります。そこには目に見えない小さな傷(キズ)ができます。ウイルスはそこから容易に体内に入り込むことができます。口や性器が常に健康な状態とは限りません。口内炎や歯肉炎、さらに扁桃腺炎や咽頭炎、女性性器においても子宮頸管炎や膣炎を起こしている状態では容易に出血し、感染しやすくなってしまいます。

従って、『コンドームさえしておけば安全!』ではなく、どのような行為が危険であるかを十分認識することが重要です。

HBワクチンについて

HBワクチンはB型肝炎やHBキャリアにならないための唯一の方法と言っても過言ではありません。

HBワクチンの接種をした方がよい人は

  • HBVに感染したHBVキャリアの母親から生まれた出生児
  • 血液や体液に触れる機会の多い医療従事者や性風俗の仕事をしている人
  • 不特定多数の性的パートナーをもつ人

このように、HBVの感染は特定の人と限らないため、WHO(世界保健機関)では全ての出生児に接種することを推奨しています(ユニバーサルHBワクチン)。

HBワクチンの接種の実際

  • 検査 HBs抗原(+)/ HBs抗体(-)→HBVキャリア → 接種しない 
    HBs抗体(+)→ 接種不要
    HBs抗原(-)/ HBs抗体(-)→ 接種の対象者
  • 接種 初回 → 初回より1ヵ月後 → 初回より6ヵ月後
  • 検査 最後に接種してから1ヵ月後 HBs抗体検査で(+)を確認して終了
B型肝炎の検査  

B型肝炎ウイルスは、ウイルスの表面を覆う蛋白の中で最も多いのをHepatitis B surface(HBs 抗原)と言います。中心部分(コア)を構成する蛋白をHepatitis B core(HBc 抗原)と言いますが、その他にコアの一部を構成する蛋白としてHBe抗原があります。これら3種の蛋白に対してそれぞれHBs抗体、HBc抗体、HBe抗体が作られます。以下に示す5種の蛋白を調べることによって、B型肝炎の病態(その時々の状態)を知ることができるのです。

HBs抗原の検査:(+)であれば、肝細胞の中でHBVが増え、血液や体液にも存在します。
         感染の危険性があり、肝炎を発症することもあります。

HBs抗体の検査:(+)であれば、すでにHBVに感染したことがあることを意味し、HBVの感染を防げます。
         B型肝炎ワクチンの接種も同じ効果が得られます。

HBc抗体の検査:慢性B型肝炎や無症候性キャリアでは高い測定値を示します。

        ※急性肝炎の診断にはIgM型HBc抗体の測定が最良の検査です。

HBe抗原の検査:(+)は肝細胞の中でHBVが激しく増えていることを意味します。

HBe抗体の検査:(+)であれば感染力は低く、予後が良好である指標になります。

肝炎が疑われる場合は、当然病院を受診することになりますが、郵送検査としての役割は、性風俗従事者の定期検査での感染源(キャリア)の発見と感染者の早期発見になります。

HBVの表面蛋白を検出するHBs抗原検出法には、検出感度の高いEIA法や化学発光法や検出感度が低いイムノクロマト法などがあります。郵送検査では検査に使用する血清量に限界があり、現状ではイムノクロマト法を採用しています。感染の初期はウイルスの量が少ないため、検査を受けるのは危険な行為があってから4週間から6週間が経過してからが望ましいと思われます。

アイラボが郵送検査で採用しているHBV表面抗原検出キット

郵送検査では、使用する血清量が限られていますので、アイラボでは富士レビオ社製『エスプラインHBsAg』を使用します。

注意事項:この検査でHBs抗原が陽性と判定されても、直ちにウイルスキャリアあるいはB型肝炎であると診断できません。この場合は他の検査結果および臨床症状を加味して総合的に判断することになっているため、『本郵送検査では病院や医療機関を受診し確認検査を受けて頂くことになります。』

アイラボのHBV郵送検査の特徴

どの検査においても100%完全なものはありません。

しかし、最もそれに近い検査精度を提供するのがアイラボのモットーです。

検査精度は「適切な検体採取」「適切な処理」「適切な検査」です。

従って、アイラボでは「採取された血液を直ちに血清に分離します」「そしてチルド便でアイラボに搬送して頂きます。」精度を最優先にすると、手間がかかり、コストもかかりますが、検査のプロとしてこの姿勢を貫いています。

B型肝炎の治療  

肝庇護療法』(かんひごりょうほう)

肝庇護療法とは、インターフェロンなどの抗ウイルス剤でHBVを排除する方法ではなく、

HBVを排除できなくても炎症を抑え、肝細胞の障害をできるだけ低くする(GPTの値を低く保つ)ことで病態の進行を防ぐ治療法です。

抗ウイルス療法

B型慢性肝炎治療の最終目標は、肝硬変に進ませず、肝がんに進展するのを防ぐものです。

そのためには先ずHBVが増えるのを抑え、肝炎を鎮静化させることが重要になります。

インターフェロン(INFはウイルスの増殖を抑え、免疫力を高める働きがあるため、HBV DNAを減少させ、肝機能検査値GPT(ALT)を正常値にもどし、HBe抗原(-)・HBe抗体(+)「セロコンバージョン」にすることが目的になります。

その他に最近注目されているのが核酸アナログ治療です。この治療はまさにウイルスそのものの増殖を阻害するものです。

成人にHBVが感染した時は一過性の感染で、多くの症例(80%程)は症状を示さない不顕性感染で終わります。20%程が急性肝炎の症状を示しますが、特別な治療をしなくても

肝庇護療法(かんひごりょうほう)で肝臓の炎症を抑え、肝硬変や肝がんへ進むのを予防することで多くは完治します。まれに劇症化することがありますので慎重に経過観察する必要があります。

一方、HBキャリアの慢性B型肝炎の治療は、2017年に日本肝臓学会より『B型肝炎治療ガイドライン(第3版)』が公表されました。

詳細はこちらをご覧下さい。

C型肝炎ってどんな病気?  

C型肝炎ウイルスHepatitis C virus (HCV)は、HCV感染者の血液を介してヒトからヒトに感染します。HCV感染は、HBVと同じように一過性の感染と持続感染があります。

症状を呈すものでは、感染してから2週間~5ヶ月の潜伏期を経て急性肝炎を発症します。

30%は自然に治癒しますが、70%は慢性肝炎(キャリア化)します。HBVと異なり、成人でも持続感染化(慢性化)する理由としては、HCVがヒトの免役機構から逃れるためにウイルス表面が変異を繰り返すためと考えられています。慢性化したケースでは20‐30年の経過を経て肝硬変に移行し、更に肝がんへ進む危険性が高いのもC型肝炎の特徴です。

C型肝炎の症状 

発症した際の自覚症状は全般に軽度で、倦怠感(だるさ)があり、食欲がなくなりますが、黄疸は現れないか弱く、発症しても気がつかないことも多い。重篤な状態(劇症化)になることは極めてまれです。しかし、肝硬変になると、は肝臓の働きにも余力がある代償性肝硬変の時期はほとんど症状はありませんが、肝臓の機能が著しく低下すると非代償性肝硬変に移行し、黄疸が強くなります。

HCVがうつる原因と予防    

前にも述べましたが、HCVは血液を介して感染しますので、以下のような感染経路が考えられます。

  • 輸血や血液製剤による感染

 検査法の進歩に伴って、2000年以降輸血や血液製剤が原因で起こる肝炎は激減し、ほとんどないに等しいと考えられていますが、献血者が感染初期の場合、検査で検出できない時期(ウインドウ期)の血液や血液製剤がにウイルスが混入する可能性は皆無ではありません。

  • 注射針や注射器からの感染

 麻薬などの覚せい剤乱用者は共用する注射器から感染することが多く、現在の日本においてはHCVの感染経路として最も注意すべき対象と思われます。

  • 医療従事者の針刺し事故からの感染

 頻度的にはHBVの感染に比べれば少ないが、感染経路としては同様です。医療従事者は注意が必要です。

  • 母親からの感染

 HCVキャリアの母親から新生児に感染しますが、授乳による感染は見られないという報告があります。

  • 性行為からの感染

 HBVキャリアとHCVキャリアの絶対数が異なりますが、感染経路としてはHBVと同じですので、性行為でHCVキャリアから感染します。

  • 入れ墨やピアスの器具、カミソリからの感染

 頻度的には少ないと思われますが、これらの器具を適切に滅菌消毒しないで使用した場合感染の危険性があります。

HCVの感染経路としては以上のような場面が考えられます。従って私達個人ができる予防策としては、血液に直接触れない、注射器や注射針の共用はしない、他人が使用したカミソリは使わない、自らがHCVキャリアであるか検査をする、面識のない人(見知らぬ人)との性交渉は避ける、避けられない時はコンドームを正しく着用してオーラルセックスはしない、できればキスも避けた方が良いでしょう。

C型肝炎の検査   

C型肝炎の診断には、抗体検査と核酸増幅法をもちいた検査が行われています。

抗体検査は、感染から3ヶ月から6ヶ月以上経過するとHCVに対する抗体が現れますので、その抗体をPA法、イムノクロマト法、CLEIA法、EIA法などの方法で検出します。 

抗体検査(-):HCVは存在しない結果で、「現在HCVに感染している可能性は低い」
       ただし、感染初期に検査で検出できない時期(ウインドウ期)があること

また、HCV感染があっても抗体が産生されないケースがあることにも注意すべきです。

※疑わしい時はリアルタイムPCR法でHCV-RNAを調べます。

抗体検査(+):陽性の結果が出ても抗体価が低い場合はHCV感染でなことがあるので、
       この場合もHCV-RNAをチェックします。

        HCV-RNA(+)→ 「現在HCVに感染している可能性が高い」
        HCV-RNA(―)→ 「現在HCVに感染している可能性が低い」

核酸増幅法は、血液(血清)の中に存在する極めてわずかなHCVのRNA遺伝子を増幅(大量に増やし)し、高感度なリアルタイムPCR法という方法で検出するものです。現在最も信頼された精度の高い方法です。

HCVコア抗原検査は、HCVのコア部分(HCVの外側の殻を除いた中心部分)のタンパクを免疫学的方法で、抗体検査に用いられるCLEIA法、EIA法などで測定します。測定感度はリアルタイムPCR法に劣りますが、検査時間が短いことと検査コストが安価な点が魅力な検査です。

アイラボが郵送検査で採用しているHCV抗体検出キット

郵送検査では、使用する血清量が限られていますので、アイラボでは富士レビオ社製『オーソHCV Ab PAテスト』を使用します。

注意事項:HCV感染の診断は、この検査による結果だけで行わず、HCV-RNA測定等、他の検査結果や臨床経過を考慮して総合的に判断することとあります。

アイラボのHCV郵送検査の特徴

どの検査においても100%完全なものはありません。

しかし、最もそれに近い検査精度を提供するのがアイラボのモットーです。

検査精度は「適切な検体採取」「適切な処理」「適切な検査」です。

従って、アイラボでは「採取された血液を直ちに血清に分離します」「そしてチルド便でアイラボに搬送して頂きます。」精度を最優先にすると、手間上がかかり、コストもかかりますが、検査のプロとしてこの姿勢を貫いています。

C型肝炎の治療  

C型肝炎の治療目的は、肝がんの発生を防ぐことと、この病気での死亡者をなくすことですので、個々の患者にあった治療方針を選択することが重要です。

そのため、日本肝臓学会の『C型肝炎治療ガイドライン』には、「C型肝炎治療の目標は、HCV持続感染によって惹起される慢性肝疾患の長期予後の改善、すなわち、肝発癌(肝がんの発生)ならびに肝疾患関連死を抑制することにある。この目標を達成するために抗ウイルス療法を行いHCVの排除を目指す」と記載されています。

HCV持続感染者における発癌リスクの上昇は、GPT(ALT)の上昇と肝臓の線維化の進行によります。従って、肝臓における炎症の度合いをみるGPTの上昇と、肝臓の線維化の指標となる血小板の低下はインターフェロンなどの抗ウイルス療法の対象になります。

さらに、発癌リスクの高い男性の高齢者で繊維化が進んでいるケースは早期の抗ウイルス療法が行われます。

インターフェロンは生体にウイルスなどの異物が侵入すると、サイトカインという物質に刺激されて出現し、ウイルスの増殖を抑え(抗ウイルス作用)、マクロファージを活性化して免疫の働きを制御し、がんなどの腫瘍細胞が増えるのを抑えます(腫瘍増殖抑制作用)。

従って、HCVの増殖を抑え、肝がんの発生を阻止する働きがあるため、最初の治療法としては最も期待されます。

 

性感染症無料相談

子宮頸がん細菌性膣症カンジダ尿道炎咽頭炎膣炎は厳密には性感染症ではありません。

アイ・ラボ最新ニュース 子宮頸がんは検診で100%防げます 性感染症 相手が増えればリスクも増える

子宮頸癌撲滅キャンペーン

子宮頸癌撲滅キャンペーン
提携医療機関 アイラボ facebookページはこちら
アイラボ無料相談はこちら