子宮頸がん・HPV

子宮頸癌検診用 加藤式自己擦過法器具についての私見

COI(利益相反)はありません。

最近、いろいろな学会でよく見かけるようになったCOI。

その詳細は以下の通りです。

『医学における利益相反(conflict of interest:COI)とは、科学的客観性の確保や患者ないし被験者の利益を保護するという研究者や研究機関の責任に,不当な影響を与え,重大なリスクを生じうるような利害の対立状況を指します。具体的には、企業等営利団体からの資金提供によって実施された医学研究の結果の判断が、資金提供元にとって有利あるいは不利になる可能性がある場合に、公正であるべき研究結果の判断に影響をもたらしかねないと第三者から見て懸念される状況を意味します。』(日本臨床衛生検査学会、利益相反委員会、学術集会におけるCOI開示より引用)

もう30年も40年も前のことです。

私が子宮頸がん細胞診検査にかかわっていた千葉市にある登録衛生検査所でのこと。

私:「最近、この検体(加藤式自己擦過法器具で採取した標本)が時々出るけど、お医者さんが採取するよりよっぽどいいんじゃないの?」・・・と職員に聞いたことがあります。

職員:「あまり大きな声では言えないんですけど、そうですよね。検出率も結構いいんですよ。」こんな会話を交わした記憶があります。

その後、縁あって杏林大学保健学部で細胞検査士教育に携わるようになった私ですが、学生には「自己採取法はあまり良い方法とは言われていません。」と教えていました。今考えてみると大変無責任な発言をしていたことに反省しています。

教員を辞め、小さいながら自分の会社を設立しました。

皆さんも経験があると思いますが、『こうしたらもっと精度の高い検査になるのに』『こんなことしてあげればもっと喜ばれるのに』と思っても、大きな会社の中では容易に実現できるものではありません。

『自分が学び、経験し、そして良かれと思うことを実現するためには小さくても自分の会社でなければできない』との思いで起業しました。

具体的にどんな仕事をしようかと考えた時、真っ先に浮かんだのが故八田賢明先生(千葉県松戸市で産婦人科を開業され、細胞診にも大変ご同慶の深い先生)が話された言葉で、「若い女性にとって婦人科の敷居は高いものだ。妊娠やお産以外は来たくない所だよ。自分で採取する方法でも精度の高い検査を広めてくれよ。」というものでした。それは、私がかねがね考えていたことと合致する考えでした。

そして迷うことなしに郵送検査を始めました。

それは『自分で採取してポストに入れるだけで、いろいろな検査ができる』というものですが、子宮頸がん検査における自己採取法は既に悪いイメージのレッテルが張られていました。

『細胞診断学の教鞭を執った者が何故自己採取?』そんな視線が気になり、当初は「自己採取型子宮頸がん検査」を表に出せず、検査キット名『婦人科トータルセルフチェック』とし、淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性膣症、(それに加える形で)子宮頸がん(HPV感染)を調べる検査キットを出しました。

開業してからしばらくして、北海道で風俗店を営む店主から「従業員の健康をチェックしたいので『婦人科トータルセルフチェック』で定期検査をしたい」という依頼がきました。程なく25検体が送られ、検査したところ驚きの結果が待っていました。

何と25歳、21歳、19歳の3名が高度異形成から上皮内癌(今の分類ではHSIL)だったのです。

そうこうしているうちに、八王子の風俗店の店主さんからも「風俗の仕事をする以上、性感染症対策は義務だと思うので、定期検査をお願いします。」という依頼が入りました。

このような定期検査をしてみると、一般に知られた淋病やクラミジアなどの性感染症は当然多いのですが、HPV感染を含めた子宮頸がんの前がん病変の多さに驚かされました。

『冗談じゃないよ、加藤式自己採取でも子宮頸がん検診は十分行けるのではないか?』との思いが徐々に高まってきました。

でも、私が診ている対象は風俗で働く女性です。検出率が高い(一般の検診の10倍以上)のは当然ですから、加藤式の良さをお話しするときは、常にブレーキをかけながら(トーンを落として)の自分がありました。

それから数年が経ったある日、ある大手企業の健康保険組合の担当者(臨床検査技師さん)から「アイラボさんは加藤式で検査しているんですよね。社員の子宮頸がん検診をお願いできますか?」という依頼を皮切りに、八王子市内の検診クリニックの担当者(放射線技師さん)からも「加藤式で検査されていることを知りましたので、お願いできますか?」、栃木県からは「乳腺専門のクリニックですが、乳がん検診に来た女性で子宮頸がん検診を受けていないという女性にアイラボさんの検査を勧めたいのですが、加藤式でお願いできますか?」こんな依頼が舞い込んでくるようになりました。

細胞診に従事していない人達がどうしてこうも加藤式にこだわるのか当時あまり理解できなかったのですが、今考えれば検査精度に責任を持たれた方々であったと思われます。

こんな感じで、私なりに加藤式による自己採取型子宮頸がん検診に自信が持てるようになってきました。

加藤式自己採取法を導入するにあたり、私は最初から決めていたことがあります。

それは文頭で紹介させて頂いた千葉市にある検査センターでのお話です。

加藤式で推奨されている塗抹方法で処理を(スライドガラスに検体を塗る操作)すると異常な細胞が塗抹周囲に出現する傾向が強いので、標本を作製する職員に「採取した部分を直接塗抹するより、その部分についた細胞を液の中に洗い出し、遠心分離した沈渣(細胞成分が集まった底の部分)を塗抹したらもっと精度が上がると思うよ。」と提案しました。

帰ってきた言葉は「忙しくてそんなことやっていられません。」というそっけない言葉でしたが、現場で仕事をしている技師さんたちからすれば、加藤式の方法通りにやっているのだからという思いもあったでしょう。無理なお願いであったかもしれません。

その出来事が、自分の会社をつくりたい思いの第一号でした。

夢かなって今は小さいながらも自分の会社です。

結果は予想通り検査精度(異型細胞の検出率)が2倍になりました。

加藤式自己擦過法器具はどんな方が考案されたのか以前から大変興味がありました。

子宮頸癌検診器具製造所の職員の方とは電話でお話しするだけですし、社長(考案者の奥様)とも学会などで時々お会できるだけでした。先日、名古屋へ出張する機会がありましたので、会社を訪問させて頂きました。写真はその時撮影させて頂いたものです。

是非皆さんで頑張って頂きたい旨をお伝えしました。

株式会社 アイ・ラボ Cyto STD 研究所

所長 椎名義雄

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