お知らせ

子宮頸がん検査“自己採取法悪法論”からの脱却

できることなら、「お産以外に婦人科には行きたくない。」

これは、日本人と限らず世界中の女性が思うところでしょう。
しかし、“子宮頸がん”から子宮や命を守るためには、“検診に頼るほかない”のが実情。
ところが、検診の受診率をみると、欧米に比べ日本は極めて低い(表1)。

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では、「どんな環境であったら検診を受けるか?」とのアンケートをしてみると、

そこから見えてくるのは「恥ずかしい」「忙しい」「面倒」・・・・と言った回答である(表2)。

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また、それを裏付ける結果もある(表3)。

表3.jpg

2社の企業検診で、対象者全員に自己採取器具を配布したところ、N社は48.4%、A社は58.0%に相当する社員が検査を受けている。

国が目標に掲げた受診率50%の達成は容易にクリアできることは判明したが、好きな時、都合の良い所で、自分で採取できる自己採取法は、大方の女性が望んだ受診環境であるにもかかわらず、受診率は50%程に留まった。

この結果については、“自分でちゃんと採取できるか心配” 、“検査精度は大丈夫なのか” 、等の不安要素に加え、医学界における “自己採取悪法論”が根強く、“自治体”や“協会けんぽ”での検診に採用されていないことも不安要因になっている。

低受診率の原因はそれだけであろうか?

ここに興味ある東京都の報告がある。
平成24年度東京都地域保健・健康増進事業報告による伊豆七島の子宮頸がん検診受診率を見ると、大島町17.7%、利島村61.4%、新島村26.1%、神津島村40.6%、三宅村31.6%、御蔵島村76.3%、八丈町9.9%である。
最も受診率の高い御蔵島は東海汽船が便りの島です。それに対して最も受診率の低い八丈町は東海汽船、空港といった利便性だけではなく、町立病院、婦人科の先生在住といった条件に恵まれた島である。何時でも病院で見てもらえるという安心が油断になっているのではないか?

こうして改めて表1を見みると、“医療が身近にある日本”ならではの“安心”が低受診率の要因の一つになっている可能性も排除できない。そう考えると、“無料クーポンの配布”、“安く検診が受けられる”サービスだけでなく、“危険なウイルスの感染から身を守る教育”と“検診を受けさせるための強力な後押し作戦”が重要になってくる。

子宮頸癌の教育に関して

①子宮頸がんは危険なウイルスの感染が原因であること、②その感染はセックスでうつること、③正しくコンドームを使用すればその大部分が防げること、④コンドームを使用しない行為が訪れる6ヶ月前にワクチンを接種すること、⑤ワクチンを接種しても必ず検診を受けること、この五箇条を徹底的に教育する。

この教育のタイトルは、「あなたはいつ子宮頸がん予防ワクチンを受けますか?」です。
「コンドームなしのセックスをするならその6ヶ月前にワクチンの接種を始めなさい!」
「最後のワクチンを済ませるまでは正しくコンドームを使いなさい!」
「そうすれば、子宮頸がんのリスクは極めて少なくなります。」
「意志の弱いあなた、早目にワクチンを接種しなさい。」

“強力な検診の後押し作戦”には一つの道具が必要

それは、好きな時、都合の良い所で、自分で採取できる自己採取法も選択できる道を開くことです。この道具が使えれば、病院で検査をするのに抵抗がある人に、「自分で採取できる方法でもいいから受けなさい!」と“強力な後押し作戦”が可能になるのです。

後押しの主人公は社長さんです

「俺(私)の会社から子宮頸がんは絶対に出さないぞ!市(町)(村)の検診を受けなさい! それを受けなかったら会社(けんぽ)の検診を受けなさい! それもだめなら自己採取でもいいから受けなさい!」

子宮頸がんゼロの会社を目指せば、あなたの町は子宮頸がんゼロの町になります。

自己採取法を扱う検診企業や検査企業の責任は重い。自己採取法が悪法と言われる限り子宮頸がん検診の受診率は上がらない。自己採取法が社会や医学界に認められるためには、先ずこれを扱う企業が精度最優先の姿勢を示さなければならない。そして、自己採取法が住民(市町村)検診や企業(協会けんぽ)検診にも採用されるようになるためには、より精度の高い採取器具の開発や低コスト化、さらに検査技術の改善が望まれる。技術立国で世界一優秀な細胞検査士を抱える我が国だからできることである。

子宮頸部腺がんや子宮体がんについて

この問題は避けて通ることはできない課題である。自己採取器具で直接採取できるのは子宮膣部であり、頸管内や体部の病巣から直接細胞を採取することは無理である。
医学の進歩に伴い、近年、細胞診とHPVの併用検査で、より高い精度の子宮頸がん検診を提供できるようになってきた。特に最近の研究で、子宮頸部腺がんの約70%にハイリスク型HPVの感染が見られることが分かってきた。このことは、自己採取法で得られた検体でも、子宮頸部腺がんに無力ではない可能性が出てきたことになる。つまり、ハイリスク型HPV陽性でASC-US以上の所見が得られた場合、次の追跡検査または精密検査で頸管内を含め精査することでかなりカバーできるのではないかと考える。

体癌については、こじつけになるかもしれないが、検診の報告書の中に、「閉経前に不正出血が見られた時は婦人科を受診しましょう」また、「閉経後に出血が見られた時は速やかに体がん検査を受けましょう。」といった知識の享受が大切になると考えている。困難な課題ではあるが、眼をそむけることはできない。

自己採取法にかかわる問題を私なりに整理した。子宮頸がんは検診を受ければ子宮も命も守れるがんである。
知恵を出し、何としても受診率を高めていきたいものである。関係の皆様のご意見を賜れれば幸いである。

2014年3月8日 椎名義雄

email   yoshio_shiina@ilabo-cyto-std.com

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