学術・研究発表

第53回日本臨床細胞学会総会春季大会

自己採取-液状化処理-ASC-USの鉄則遵守」の子宮頸がん細胞診成績

藪崎宏美

【目的】

本研究は子宮頸がん検診の受診率向上のため、自己採取法導入の有効性について報告する。

【方法】

検索対象は1,120件の加藤式自己採取検体である。検体は当社PS保存液で細胞浮遊液とし、1,500回転・5分間遠心した沈渣をすり合わせ法にて5mmの長さに塗抹し、型の如くPapanicolaou染色標本を作製した。スクリーニングは“ASC-USの鉄則”を遵守して行った。

【結果】

検体不良は5件(0.4%)で全て採取量不足であった。細胞診成績は検体不良例を除く1,115件で集計した。NILMは1,052件(94.3%)、ASC-USは37件(3.3%)、LSILは16件(1.4%)、ASC-Hは6件(0.5%)、HSILは3件(0.3%)、AGCは1件(0.1%)であった。ASC-US以上は63件(5.7%)、LSIL以上(要精検)は26件(2.3%)であった。

【考察】

子宮頸がん検診の精度を適正に評価する事は極めて困難であるが、対がん協会報(A)、東京都衛生検査所精度管理事業報告書(B)、および名古屋公衆医学研究所提出資料(C)を基に要精検率で比較した。Aは医師が採取した代表的グループと思われるが、0.2%~2.2%と極めて大きな差が見られ全国の平均が1.0%である。Bは自己採取例で器具の提示はないが、年間取扱量5,000件以上では0.36%~0.44%で、概ね0.4%である。Cは加藤式自己採取直接塗抹による成績で、0.9%~1.0%と概ね医師採取と同等の結果である。これらと今回の成績を比較すると、加藤式を採用した事で、医師が採取したのとほぼ同様の1%を確保し、標本作製法とASC-USの鉄則を遵守するスクリーニングで概ね1%の上昇が得られた。「加藤式-液状化処理-ASC-USの鉄則遵守」による自己採取法は、子宮頸がん検診の受診率向上にはたす役割は大きいと思われる。

子宮頸部液状化細胞診における「ASC-USの鉄則遵守」の重要性について

熊谷朋子

【目的】

自己採取―液状化細胞診におけるASC-USの鉄則遵守(1.ASC-USの細胞が存在するはず 2.ASC-USの細胞が見られたらHSILの細胞があるはず)の重要性について報告する。

【方法】

2009年7月~2011年12月の期間に風俗の定期検査を受診し、最終的にHSIL(中等度異形成)と診断された受診者の24回分について再評価を行った。検体は全て加藤式自己採取器具で採取し、液状化処理(PS保存液で細胞浮遊液とし、1,500回転・5分間遠心)した沈渣をすり合わせ法にて塗抹し、型の如くPapanicolaou染色標本を作製した。再評価では“ASC-USの鉄則遵守”して行った。

【結果】

1stスクリーニングではNILMは13回(54.2%)、ASC-USは5回(20.8%)、LSILは2回(8.3%)、ASC-Hは2回(8.3%)、HSILは2回 (8.3%)、であった。再評価を行ったところ、NILMは4回(16.7%)、ASC-USは10回(41.7%)、LSILは2回(8.3%)、ASC-Hは6回(25.0%)、HSILは2回(8.3%)であった。ASC-USの見落とし5回(20.8%)、ASC-Hが4回増加した内訳は(NILM→ASC-H、ASC-US→ASC-H)共に2回であり、いずれも異型細胞は5個以下であった。

【考察】

細胞診の精度は、採取法、標本作製法そしてスクリーニングが完璧に行われることが条件であるが、今回はスクリーニングの落とし穴について検討した。当社の自己採取法による子宮頸がん検診でLSIL以上の検出率は概ね2%と低い検出率ではないが、今回の調査でASC-USで約20%、ASC-Hで約8%が発見できなかった。これらはいずれも異型細胞は少数例だが、これを見落とさないことが我々の使命である。そのためには細胞検査士がスクリーニングに向かう意識が極めて重要であり、我々は“ASC-USの鉄則遵守”を合言葉に精度向上に努めている。

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