検査士ダイヤリー

自己採取法の精度は検診機関・検査会社の責任!

子宮頸がん検診ではどの程度の異常が発見されるのでしょうか?
日本対がん協会グループが対がん協会報の中で「子宮頸がん検診の実施状況」を報告していますが、最新のものでは2016年9月号に「2014年度」の結果が掲載されています。

医師採取による子宮頸がん検診では、1,316,047名の受診者のなかで精密検査が必要な人(LSIL:軽度異形成以上)は20,796名1.58%の割合で検出されています。一方、アイラボの地元の八王子市は東京都を代表する検診機関である東京都予防医学協会で検査され、ASC-US以上を要精密検査としていますがASC-US以上は2.5%と報告されています。受診者の年齢分布などの影響もありますが、これらの数値が医師採取による子宮頸がん検診の参考になる数値と思われます(図1左側)。

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【 図1 子宮頸がん検診 各検査機関における検出率の比較 】

※1:日本対がん協会=2014年度子宮頸がん検診の実施状況より
※2:八王子市=東京都予防医学協会による検出率

図1右側は東京都衛生検査所精度管理事業報告書の子宮頸部自己採取法の検出率をグラフにしました。この報告書では、採取器具の種類、検査方法(直接塗抹・液状化の別)、対象者(企業検診、郵送検査、風俗の定期検査、等)別には集計されていません。

この期間にアイラボでは1122名について自己採取法を実施しましたが、企業検診と人間ドックで子宮頸がん検診を受けた710名だけの成績を見るとASC-US以上が2.85%、LSIL以上が1.43%であり、医師採取と大きな差は見られません。

前述のごとく、他の検査会社の検査条件は不明ですが、ASC-US以上の検出率は全て1%以下で検出率に約3倍の差見られます。

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【 図2 子宮頸がん検診(加藤式自己採取器具使用) LSIL以上の検出率の比較 】

図2の右側は2016年度アイラボがS検診機関より依頼された1628名の健康保健組合家族検診の自己採取法による子宮頸がん検診の成績です。LSIL以上は1.9%で、前述の対がん協会の数値1.58%より若干高くなっています。S検診機関は、アイラボが検査を担当させていただく以前の5年間も加藤式を用い、受診対象もほぼ同様ですが、検査だけをK社に依頼していました。つまり、採取器具も受診対象者も同じ条件にもかかわらず、異常細胞の検出率はK社のおおむね3倍になっています。

図1と図2で示したように、アイラボ以外の検査会社における自己採取法の精度は極めて低く、これこそが住民健診や協会健保に自己採取法が採用されない最大の理由と思われます。

細胞診の検査精度は、
(1)適正な採取
(2)適正な標本作製
(3)適正な観察
3条件が必須で、どれか一つでも適性を欠けば検査精度は低下します。採取器具の選択は検診機関の責任、後の2つは検査会社の責任と思われます。

アイラボが先ず挑戦したのは(2)の標本作製法です。加藤式では直接塗抹法を推奨していますが、アイラボでは独自の液状化処理法を採用しています。この点については学術論文にまとめていますが、直接塗抹法に比べ液状化処理することによって検出率は2倍になります。次の挑戦は(3)の観察(細胞検査士によるスクリーニング)ですが、私達はあえて「ASC-USの鉄則を遵守」という言葉を作って、細胞検査士の使命感を重視した観察を行っています。

検診機関や検査会社の努力によって自己採取法の検出精度をここまで高めることができます。しかし、検診機関や検査会社は厳しい値引き競争に巻き込まれています。分かってはいるけど・・・が本音でしょうが、検診を、検査を請け負うのであれば、皆さんに頑張って頂きたいところです。

病理検査も細胞診も人の知識・能力・技術を結集しなければならない検査であり、機械で処理できるものではありません。本来素晴らしい診断法であっても値引き合戦に巻き込まれれば、消えていく診断法になってしまうのが残念です。

自己採取法の検査精度を高めたい検査会社には情報・技術提供等の協力を惜しみませんので、ご相談下さい。

ご相談はこちらからメールもしくはお電話でどうぞ。

 

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