検査士ダイヤリー

クラミジアの星雲状封入体発見まで(田中 昇先生)

  クラミジアの封入体に関する本格的な研究は1982年頃からはじめ、翌年6月にカナダ モントリオールで行われた第8回国際細胞学会で、数日前に発見した“星雲状封入体”について発表しました。

  学会から帰ってから早速論文書きを開始しました。

  私にとって、15番目の論文ですが、この頃は杏林大学保健学部で細胞診の教鞭をとっておりましたので、できることなら学位を取得したいと考えておりました。 “できることなら”というより、将来大学の教員でいる以上、学位を取得することは当たり前と考えていました。同僚の中には、私と同じように、短大を卒業してそのまま教員として留まった方もかなりおりましたが、その時点で学位を取得しようという雰囲気はありませんでした。

   論文がほぼ出来上がりかけた頃、どの雑誌に投稿しようか迷っておりました。

主に活動していた日本臨床細胞学会誌は、臨床検査技師や細胞検査士が単独で原著論文は提出できないようでした。今はどうか知りませんが、お医者さん中心の学会で、必ず細胞診指導医なり、医師の名前を付けなければなりませんでした。

 その当時、千葉県がんセンター研究所に田中昇先生がおられました。田中 昇先生は、国際細胞学会の度に、参加者を募集され、素晴らしい旅が約束されていましたので、いつもご一緒させて頂きました。ドイツ(ミュンヘン)、カナダ(モントリオール)、アルゼンチン(ブエノスアイリス)、オーストラリア(メルボルン)等。                              実は、素敵な旅だけではありません。国際細胞学会ですので、発表は英語です。同行する細胞検査士の皆さんが発表する時は必ずその会場におられ、時には、通訳もして頂けたので、大変心強く、安心して演題を出された方も多いと思います。私自身大変お世話になり、モントリオールで私がクラミジアの発表をしたときも、一番前の席で、聞いていて頂けました。とても安心しました。心より感謝申し上げる次第です。

 そんな経緯があってか、足は自然と田中先生に向いていました。

 「この論文で学位を取得できますか?」・・・と先ず質問しました。

 

  「全く問題ないが、日本臨床細胞学会誌は細胞検査士や臨床検査技師さんが単独では投稿できないので、国際細胞学会誌(Acta Cytologica)に投稿しなさいと言われました。そして、Acta Cytologicaに投稿する際は、日本のエディターにまず提出しなくてはいけないことを教えて頂き、日本のエディターである当時獨協医科大学病理学教授である山田 喬先生を紹介して頂きました。

 学会など、公の場での先生はとても毅然とされ、最初は怖い印象を持っておりました。が、なぜここまで優しくして頂けるのか?

 

 偉い先生は、きっと誰にでもこうなんだ。 いつも精一杯相対してくれる。

 感謝の念と共に、大変貴重なことを教えて頂きました。

 

ありがとうございます。

 

十数年ぶりの再会

2012年11月9日、この日だけ日帰りで新潟市朱鷺メッセで開催された第51回日本臨床細胞学会秋期大会に出席しました。「細胞診とHPV検査の併用検診の意義」についての新知見を得るためでした。突然目の前に車椅子が。なんとそこには田中昇先生が。突然の再会で目頭が熱くなりました。お元気な先生にお会いできたことに感謝しております。

 

次回は、獨協医科大学教授 山田 喬先生について書かせて頂きます。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

性感染症無料相談
アイ・ラボ最新ニュース 子宮頸がんは検診で100%防げます 性感染症 相手が増えればリスクも増える

子宮頸癌撲滅キャンペーン

子宮頸癌撲滅キャンペーン
提携医療機関 アイラボ facebookページはこちら
アイラボ無料相談はこちら
アイラボ15周年記念ポイントアップキャンペーン