検査士ダイヤリー

クラミジアの星雲状封入体発見まで(武田 敏先生)②


 そんなある日のこと、私と一緒に仕事をしませんか?というお誘いを受けました。


(悩み)

武田先生①で書いたように、

私にとって医学の道に入って最初の恩師は杏林学園時代の勝目卓朗教授です。

卒業の半年前から「教員として残れ」・・・の連発でした。「町から派遣された身ですので、そう言う訳にはいきません。」・・・とお断りするだけでした。卒業式が終わって謝恩会の席になって、やっと、「分かった。10年経って町に後継者を育てたら帰ってこい」と言ってくれました。 「10年経ったら帰ってこい」。この言葉は、私のその後の人生で最も重い言葉になりました。 このことについては別の機会にご紹介致します。


町の病院に帰って4年目になろうとしていました。若い臨床検査技師も育ってはいましたが、大変悩みました。悩みに悩んだ末、千葉大学教育学部養護教諭養成課程、性教育教授 武田 敏先生の下で研究生活に入ることを決断しました。


1973年11月6日 第14回日本組織細胞化学会総会が広島市で開催されました。

その学会のシンポジウムでは、千葉大学医学部産婦人科教授、御園生雄三教授が発表予定でしたが、ご病気の為、急遽私が代役を務めることになりました。

まだ、25歳の若僧の代役とあって、武田先生もかなり気を使われ、広島に到着後、かなり地味なネクタイを買い与えられました。その時発表したな内容が、武田先生と一緒に研究を始めてからの総まとめになり、私の初論文となりました。

Application of enzzyme cytochemical staining to cytological diagnosis of carcinoma.

Acta Histochem.Cytochem.7:289-304,1974.


時が流れ


1979年10月、日本臨床病理学会(最近の細胞診の進歩)と題したシンポジウムが開催されました。このシンポジウムは私の転機にななりましたので紹介させて頂きます。


私の前の演者は、日本大学医学部病理学教室の川生 明助教授で、講演のタイトルは「細胞診における酵素抗体法の応用」でした。

勿論、私のタイトルは「酵素組織化学の細胞診への応用」です。

一見同じようなタイトルのように思えますが内容は全く異なります。

川生先生の酵素抗体法は、細胞の中にあるたんぱく質をその抗体を用いて染め出す方法。私の酵素組織化学は、細胞の中にある酵素の働きそのものを捉える方法です。


  酵素は生き物ですのできわめて不安定な性質ですですが、タンパク質はアルコールなどで処理すると安定した物質になります。従って、酵素抗体法の方が扱いやすく、安定した成績がえられ、しかも、細胞の形態を同時に観察することができる特徴がるのです。自分の発表内容よりも川生先生の発表に吸込まれておりました。



  川生先生ご講演“まとめ”に注目しました。

締めの言葉は、 「現状で、酵素抗体法を細胞診に応用するのは困難と思われますが、今後細胞診の分野でも期待される方法と思われます。」という内容でした。


  同席した武田先生と私は多分同じ思いでこの講演を聞いていたと思います。

翌朝の研究室での最初の会話は、 「酵素抗体法を細胞診に応用できる方法にしよう」…で一致! 即、川生先生に電話、翌日には日本大学医学部病理学教室の川生助教授を訪問していた。そして、即、研究生としての受け入れが許可されました。

新しい技術への期待大!


 これからは、細胞診における酵素抗体法の第一人者を目指して奮闘! することになる。


 その数日後の朝、


武田先生はすでに1時限目の講義の為、教授室におられました。

私が教授室に入ると、「椎名さん、勝目先生から電話だよ」・・・???


勝目先生曰く、「椎名君、今度は断るなよ!」 「短大が4年制の保健学部になるので帰って来い」・・・と言う内容。ちょうど約束の10年目でした。

武田先生もこの話に大変喜んでくれました。


日大で新しい技術を得て、母校で頑張れる。


勝目先生との約束を果たせたのも、武田先生の下で研究生活を続けていたからであり、ただただ感謝の気持ちで一杯でした。


次は三人目の恩師川生 明先生との出会いをご紹介致します。

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