検査士ダイヤリー

クラミジアの星雲状封入体発見まで(山田 喬先生)

元独協医科大学病理学教授 山田 喬先生

学位論文?

高校を卒業し、すぐに地元の町の職員に採用され、検査助手として町の病院に配属され、一年後杏林大学保健学部の前身である短大で臨床検査を学び、10年後母校で教鞭をとるようになった。臨床検査学を学んでいる時の私には、医学博士の学位など無縁の代物でしたが、大学の教員ともなれば、当然のことと考えていました。

田中 昇先生のご指示通り、早速、Acta  Cytologicaの日本のeditorである山田 喬教授にお電話を差し上げました。

山田先生とは全く面識がないわけではありませんでした。私が杏林大学保健学部に着任して最初の仕事は、細胞検査士教育を大学に誘致することでした。それまでの細胞検査士教育は癌研、大阪成人病センター、東京都がん検診センターの3施設で、大学での教育機関はなかったのです。臨床検査技師教育の中に細胞検査士養成課程をつくるためには、それなりの講師陣をそろえなければならなかったのですが、山田先生には「非上皮系腫瘍(肉腫)」を担当して頂いた経緯があります。お忙しい先生ではありますが、年に一度八王子までお出でいただいたのです。

クラミジアの星雲状封入体を発見し経緯、そしてこれを学位論文として、ACta Cytologicaに投稿したい旨を先生に伝えました。電話の向こうの先生は大変穏やかに「一度その論文を見せて下さい。独協大学医学は栃木県だけど来れますか?」という一声でした。

数日後、おもちゃのまち駅で電車を降り、先生の教授室を尋ねました。ご挨拶そこそこに、先生は論文を手に別室にこもってしまいました。2時間弱もの間ただじっと待っていました。何も考えずただボーットしていた気がします。別室から出られた先生は、「椎名君3回程ここに来れますか?論文の中身については全く問題はない。学位論文としても立派なものです。ただ、英文をもう少しすっきりさせましょう。そのためには3回程かかりそうだね。」という言葉でした。ボーットして待っていたせいか、何の思考回路も働かず、ただ「はい」と答えただけであった気がします。

その後、食通の先生お勧めのおそば屋さんで昼食を頂きました。“天ざる”であったと思いますが、そばの食べ方もご教授頂きました。それまではわさびつゆにとぎ、わけぎを浮かせた中にそばの下1/3までつけて頂いていました。母親の実家が信州ですので、小さい頃からそのように食べていました。ところが先生は、せいろの盛られたそばに直接わさびを塗付け、いただくのです。この様な食べ方は初めて経験しました。私はその後もざるそばもりそば、それだけではなく、うどんでもそのようにいただいています。つゆが最後まできれいで透き通っているでしょう。そして、そば本来の風味が味わえるんだよと教えてくれた記憶があります(記憶違いでしたらごめんなさい)。

 

その次の週、いよいよ英文の修正が始まりました。今度は別室ではなく、先生と一緒に一行一行、日本語でどう言いたいのか確かめながらの作業が始まりました。この調子だと3回では済まないのでは? そんなことを思いながらも、作業は着々と進み、慣れてきたせいもあり、徐々にスピードが上がりました。ご自分の学生ではない私のために、なぜこんなに丁寧に、かみ砕きながら、教えて頂けるのか? 作業の合間合間に何度もそう感じました。これが本当の意味のゆとり教育。大変贅沢で貴重な時間を過ごしていました。そして、自分も先生の様な教育者になりたい。そう実感した貴重な体験でした。

思い起こせば、武田敏先生、川生 明先生、田中 昇先生、皆さん素晴らしい先生方で、素晴らしいお手本に囲まれている自分が幸せでした。

都合4回、独協大学医学部山田 喬教授の元を訪れ、念願のActa Cytologica投稿論文が完成しました。

Acta Cytologica Vol.29,p683-691

Cytomorphological and Immunocytochemical Studies of Chlamydial Infections in Cervical Smears.

先生とはその後もお付き合いさせて頂き、鎌倉のご自宅(アトリエ)へは釣りの帰りに何度かお邪魔し、酒を酌み交わせました。しばらくご無沙汰致しておりますが、またお邪魔致します。

本当にありがとうございました。

201302091041

201302091041

先生がかかれた絵の絵葉書。

沢山いただきましたので、このように保存しています。

 

 

中締め(たくさん思い出がありますので)

 

私は10年前に杏林大学保健学部を辞めましたが、素晴らしい先生方から教えて頂いた人としての心を、今度は、検査の現場で恩返ししたいと考えています。数多い登録衛生検査所と同じ仕事をしてもあまり意味がありません。「婦人科の敷居は高いので、もっと気軽に検査が受けられる仕事をして下さい。」という婦人科の先生と郵送検査をおこなっています。

 

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